並列運転時の負荷分担

並列運転時の負荷分担 変圧器

負荷分担

変圧器を2台以上並列に接続して使うとき、それぞれの変圧器がどれくらいの負荷を負担するか(負荷分担)を正しく計算することが大切です。
負担のバランスが悪いと、片方の変圧器だけが過負荷になってしまいます。ここでは、容量が違う変圧器でも正しく分担量を求める方法を説明します。

負荷分担が適切でないと、一部の変圧器が過負荷になったり、損失が増加したりします。

 

負荷分担の求め方

負荷電流(または電力)は、%インピーダンスが小さい変圧器ほど多く流れます。
ただし、%インピーダンスは「自分の定格容量を基準にした値」なので、容量が違う場合はまず同じ基準に揃える必要があります。

 

1.%インピーダンスを同じ基準容量に揃える

どちらか一方の変圧器の定格容量を「基準」に決めます。
ここでは例として、変圧器Aの容量を基準にする場合を示します。

変圧器Bの%インピーダンスをAの容量基準に換算する式
\( \% Z’_B= \% Z_B・\frac{P_{An}}{P_{Bn}}\)

\(P_{An}\):変圧器Aの定格容量(基準容量)
\(P_{Bn}\):変圧器Bの定格容量

\(\% Z_B\):換算前の変圧器Bの%インピーダンス
\(\% Z’_B\):換算後の変圧器Bの%インピーダンス


 

2.分担電流を計算する

同じ基準に揃えた後は、単純に%インピーダンスの逆比で分担します。

全負荷電流を \(I=I_A+I_B\) とすると、
\(I_A=I・\frac{\% Z’_B}{\% Z_A+\% Z’_B}[A]\)

\(I_B=I・\frac{\% Z_A}{\% Z_A+\% Z’_B}[A]\)

\(I\):全負荷電流
\(I_A\):変圧器Aの分担電流
\(I_B\):変圧器Bの分担電流

\( \% Z_A\):変圧器Aの%インピーダンス
\( \% Z’_B\):変圧器Bの%インピーダンス(換算後)

 

3.変圧器の負荷分担の電力に換算する

負荷分担を電力で考えたい場合は、2.で求めた分担電流の公式の両辺に、定格電圧\(V_n[V]\)を掛けると、電力に換算することができます。

\(P=P_A+P_B\)とすると、
\(P_A=P・\frac{\% Z’_B}{\% Z_A+\% Z’_B}[kVA]\)

\(P_B=P・\frac{\% Z_A}{\% Z_A+\% Z’_B}[kVA]\)

\(P\):全負荷容量
\(P_A\):変圧器Aの負荷分担(電力)
\(P_B\):変圧器Bの負荷分担(電力)

\( \% Z_A\):変圧器Aの%インピーダンス
\( \% Z’_B\):変圧器Bの%インピーダンス(換算後)

 

4.過負荷になっていないことを確認する

計算した\(P_A\)と、\(P_B\)が、それぞれの定格容量を超えていないかを必ずチェックします。

 

例題

左図のように、2つの変圧器A、Bがあり、
変圧器Aは容量\(500kVA\)、%インピーダンスが\( \%Z_A=4%\)である。
変圧器Bは容量\(1000kVA\)、%インピーダンスが\( \%Z_B=10%\)である。
負荷電力が\(P=1200kVA\) のときの、電力の負荷分担を計算せよ。

①基準容量に合わせる
変圧器Bの\(1000kVA\) を基準容量として、変圧器Aの容量を合わせます。このとき、換算された\( \%Z’_A\)は、
\( \% Z’_A= \%Z_A・\frac{P_B}{P_A}=4・\frac{1000}{500}=8 [ \% ]\)

②電力の負荷分担を求める
\( P_A=P・\frac{\% Z_B}{\% Z’_A+\% Z_B}=1200・\frac{10}{8+10}≒667[kVA]\)
\( P_B=P・\frac{\% Z’_A}{\% Z’_A+\% Z_B}=1200・\frac{8}{8+10}≒533[kVA]\)

 

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