複素数の四則演算
複素数の四則演算は、
加算・減算は、直行形式
乗算・除算は、極形式
で計算することが多いです。(簡単なので)
複素数の足し算
複素数の足し算は、実部同士、虚部同士で足算をします。
\((a+jb)+(c+jd)=(a+c)+j(b+d)\)
例:\((4+j5)+(2+j3)=6+j8\)
複素数平面で表すと、図のようになります。
\(Z_1\)のベクトルの矢印の先から、\(Z_2\)のベクトルを伸ばすと、\(Z_1+Z_2\)となります。
その結果、ベクトル\(Z_1\)と\(Z_2\)を2辺とする平行四辺形になります。

複素数の引き算
複素数の引き算は、実部同士、虚部同士で引き算をします。
\((a+jb)-(c+jd)=(a-c)+j(b-d)\)
例:\((4+j5)-(2+j3)=2+j2\)
複素数平面で表すと、図のようになります。
原点Oから、\(Z_2\)のベクトルを大きさはそのままで、向きを逆方向に伸ばしたものが、\(-Z_2\)です。
ベクトル\(Z_1\)と、\(-Z_2\)を加算すると、
\(Z_1-Z_2\) のベクトルになります。

複素数の掛け算(乗算)
乗算は、直行形式で計算することもありますが、極形式に変換した後に極形式で計算することが多いです。
直行形式(乗算)
括弧で囲われた文字式の展開と同様に計算します。
(\(j^2=-1\)です)
\((a+jb)(c+jd)=(ac-bd)+j(ad+bc)\)
例
\(\begin{eqnarray}
(2+j3)(1+j4) & = & 2・1+2・j4+j3・1+j3・j4 \\
&=&2+j8+j3+j^2 12 \\
&=&2+j8+j3-12 \\
&=&-10+j11
\end{eqnarray}\)

極形式(乗算)
複素数の掛け算\(Z_1・Z_2\) を、極形式で計算するときは、
「大きさ」と「角度」をそれぞれ計算した後にまとめる手順で計算します。
大きさ:\(Z_1\)と\(Z_2\) を掛算します。 \(|Z_1|・|Z_2|\)
角 度: ∠θ_1 と∠θ_2を足算します。 \(∠(θ_1+∠θ_2)\)

\(Z_1・Z_2=|Z|_1 ∠θ_1・ |Z|_2 ∠θ_2= |Z|_1・|Z|_2 ∠(θ_1+θ_2)\)
例
\(Z_1=4∠15°、Z_2=2∠45°\) としたとき
\(Z_1・Z_2 = 4∠15°・2∠45° = 2・4∠(15°+45°) = 8∠60°\)
複素数の割り算(除算)
除算も直行形式で計算することもありますが、極形式で計算することが多いです。
直行形式(除算)
除算は、分母から複素数を消す計算(有理化)をします。
\(\displaystyle \begin{eqnarray}
\frac{a+jb}{c+jd}&=&\frac{a+jb}{c+jd}・\frac{c-jd}{c-jd} \\ \\
&=&\frac{(ac+bd)+j(bc-ad)}{c^2+d^2}
\end{eqnarray}\)
例
\(\begin{eqnarray}
\frac{2+j3}{1+j4}&=&\frac{2+j3}{1+j4}・\frac{1-j4}{1-j4} \\ \\
&=&\frac{2・1-2・j4+j3・1+3・4}{1^2+4^2} \\ \\
&=&\frac{14-j5}{17}
\end{eqnarray}\)

極形式(除算)
複素数の割り算\(\frac{Z_1}{Z_2}\) を、極形式で計算するときは、「大きさ」と「角度」をそれぞれ計算した後にまとめる手順で計算します。
大きさ:\(Z_1\)と\(Z_2\) を割算します。 \(\frac{|Z_1|}{|Z_2|}\)
角 度: \(∠θ_1\) から\(∠θ_2\) を引算します。 \(∠(θ_1-∠θ_2)\)

\(\displaystyle \frac{Z_1}{Z_2} =\frac{|Z|_1 ∠θ_1}{|Z|_2 ∠θ_2}=\frac{|Z_1|}{|Z_2|}∠(θ_1-θ_2)\)
例
\(Z_1=4∠45°\)、\(Z_2=2∠15°\) としたとき、
\(\displaystyle \frac{Z_1}{Z_2}=\frac{4∠45°}{2∠15°}=\frac{4}{2}∠(45°-15°)=2∠30°\)
虚数 j のべき乗
虚数単位 jを掛けるたびに、値は4つのパターンで繰り返します。
大きさは1から変わらず、向きだけ反時計回りに90°回転します。


共役複素数とは
虚部の符号を反対にした複素数を共役複素数といいます。
実軸に関して対称な点になります。
共役複素数の表し方は、複素数を \(Z\) としたとき、
共役複素数は \(\bar{Z}\) です。
\(Z=a+jb\)
\(\bar{Z}=a-jb\)
※実部はそのまま、虚部の符号だけを変えます
例:\(Z=3+j4 → \bar{Z}=3-j4\)

共役複素数の性質
共役複素数の主な用途は、
①複素数の大きさ(絶対値)を求めるときに使う
②除算するときの複素数の分母を消すときに使う
です。
複 素 数:\(Z=a+jb\)
共役複素数:\(\bar{Z}=a-jb\) としたとき、
\(Z ・\bar{Z}=(a+jb)(a-jb)=a^2+b^2\) となり、虚数部分が消えます。
複素数の大きさは、\(|Z|=\sqrt{a^2+b^2}\) なので、\(|Z|=\sqrt{Z・\bar{Z}}\) と書けます。
例:\(Z=3+j4\) のとき、 \(\bar{Z}=3-j4\)
\(Z ・\bar{Z}=(3+j4)(3-j4)=3^2+4^2=25=|Z|^2\)
\(|Z|=\sqrt{Z \bar{Z}}=\sqrt{a^2+b^2}\)



コメント