【電験三種:理論】令和7年度上期 問12

電験三種令和7年度上期理論問12 その他

概要

熱電子に関する計算・論説問題です。
基本的には平行平板コンデンサの問題なので、電磁気学を勉強していれば解けると思います。

キーワード
平行平板コンデンサ、熱電子

問題

真空中において、図のように電極板の間隔が6 mm、電極板の面積が十分広い平行平板電極があり、電極K、P 間には\(2000 V\) の直流電圧が加えられている。

このとき、電極K、P 間の電界の強さは約 \( \fbox{(ア)}\) \(V/m\) である。
電極K をヒータで加熱すると表面から \( \fbox{(イ)}\) が放出される。
ある1個の電子に着目してその初速度を零とすれば、電子が電極Pに達したときの運動エネルギーW は \( \fbox{(ウ)}\) \(J\) となる。

ただし、電極 K、P 間の電界は一様とし、電気素量\(e=1.6×10^{-19} C\) とする。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる語句又は数値の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

 (ア)(イ)(ウ)
(1)\(3.3×10^2\)光電子\(1.6×10^{-16}\)
(2)\(3.3×10^5\)熱電子\(1.6×10^{-16}\)
(3)\(3.3×10^2\)光電子\(3.2×10^{-16}\)
(4)\(3.3×10^2\)熱電子\(1.6×10^{-16}\)
(5)\(3.3×10^5\)熱電子\(3.2×10^{-16}\)

 

答え

(5)

解説テキスト リンク

コンデンサ

 

回答解説

\( \fbox{(ア)}\)

電界の強さは、
\(E=\frac{V}{d}=\frac{2000}{6×10^{-3}}=3.3×10^5[V/m]\)
です。

したがって、(ア)は\(E=3.3×10^5[V/m]\)です。

 


\( \fbox{(イ)}\)
電極Kをヒータで加熱すると、電極表面から電子が放出されます。
この放出された電子を、(イ)熱電子と呼びます。

 


\( \fbox{(ウ)}\)
電子の電荷量は、\(e=1.6×10^{-19}\)、電位\(V\)は、単位電荷の位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)なので、運動エネルギー\(W\)は、
\(W=eV=1.6×10^{-19}・2000=3.2×10^{-16}\)

したがって、(ウ)は\(W=3.2×10^{-16}[J]\)です。

 

以上より、(5)が答えです。

出典元

一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論科目問12

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