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【電験三種:理論】令和6年度下期 問12

電験三種令和6年度下期理論問12 令和6年度下期

概要

電界と磁界の論説問題です。
基礎的な内容を問われているため、確実に回答したい問題です。

キーワード
静電気力、ローレンツ力、フレミング左手の法則

 

問題

次の文章は、電子レンジに内蔵されてマイクロ波を発生する、マグネトロン内の電子の軌跡を簡略化して説明した記述である。
図に示すように、真空中の平行平板電極間に直流電圧を加えて平等電界E [V/m]を作り、平等電界と直交する方向に磁束密度B [T]の平等磁界を加えた。

図中の◯はz軸の正の向きで、紙面に垂直かつ手前の向きを表す。
陰極上の点Pに初速零で電荷e [C]の電子を置いて静かに離すと、 y 軸の \fbox{ (ア) } の向きの電界により電子は陽極に向かって動き始める。

同時に電子は磁束密度に \fbox{ (イ) } した大きさの \fbox{ (ウ) } 力を受ける。
磁界はz 軸の \fbox{ (エ) } の向きのため、電子は電界と磁界の作用でx 軸の正の向きに移動する。

このとき磁束密度が一定値以上では電子は陽極に到達せずに、図のように \fbox{ (オ) } といわれる軌跡を描く。

ただし、電子は紙面と平行な平面上を移動し、重力の影響は無視できるものとする。

 (ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)比例ローレンツサイクロイド
(2)反比例アンペールヒステリシス
(3)比例アンペールリサジュー
(4)比例ローレンツサイクロイド
(5)反比例ローレンツリサジュー

 

答え

(4)

解説テキスト リンク

静電気力(クーロン力)
ローレンツ力

 

回答の解説

\fbox{ (ア) }

電界の向きは、陽極から陰極に向かいます。
したがって、y軸の(ア)負の向きです。

 


\fbox{ (イ) }\fbox{ (ウ) }
磁界中を動く電子は、磁束密度に(イ)比例した大きさの(ウ)ローレンツ力を受けます。

ローレンツ力の向きは、フレミング左手の法則で表されます。フレミング左手の法則は、左手を左図のように構えた時に、力、磁界、電流の向きを表せる法則です。
親  指:力F[N]の向き
人差し指:磁界B[T]の向き
中  指:電流I[A]の向き

ローレンツ力の大きさの式は次式で表され、
電荷q[C]は電子-e [C]です。
F=qvBsinθ=-evBsinθ

したがって、ローレンツ力は磁束密度に比例した大きさとなります。

電荷:q[C]
電子の速度:v[m/s]
磁束密度:B[T]

電子は負電荷であるため、電子の移動によるローレンツ力の向きは、フレミング左手の法則の親指が指す向きと逆向きになります。
したがって、磁界はz 軸の(エ)負の向きになります。

 


\fbox{ (オ) }
電子の描く軌跡は、(オ)サイクロイドと呼ばれます。
サイクロイド(cycloid)は、円が定直線上を転がるときに、円上の定点が描く軌跡として得られる曲線です。

以上より、(4)が答えです。

 

出典元

一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問12

参考書

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