概要
誘導電動機の計算問題です。
一次側も含めた電力の計算は出題される事があまり多くないので、戸惑う問題かもしれません。
キーワード
誘導電動機、鉄損、一次銅損、二次銅損、一次入力、二次入力
問題
電源に接続された三相誘導電動機が駆動されている。電源の線間電圧 \(V_n\) は \(400 V\)、電源から供給される線電流 \(I_l\) は \(25.8 A\)、力率は \(0.8\) である。
この場合の滑り \(s\) が \(4 %\) であり、鉄損 \(P_i\) 及び一次銅損 \(P_{c1}\) の値は、共に、二次銅損 \(P_{c2}\) の値の \(\frac{1}{2}\)である。
この場合の二次銅損 \(P_{c2}\) の値 \([W]\) として最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、その他の損失は無視できるものとする。
(1) 318 (2) 344 (3) 550 (4) 571 (5) 596
答え
(3)
解説テキスト リンク
回答解説
回答の流れ
1.\(P_2\)と\(P_{c2}\)の関係式を求める
2.問題文の条件から、\(P_i\)と\(P_{c1}\)を求める
3.入力電力\(P_{in}\)を求める
4.二次入力\(P_2\)を求める
5.二次銅損\(P_{c2}\)を求める

L形等価回路
1.\(P_2\)と\(P_{c2}\)の関係式を求める
滑り\(s\)は\(4\)%なので、\(s=0.04\)です。
二次入力\(P_2\)、二次銅損\(P_{c2}\)、機械的出力\(P_m\)の関係式
\(P_2:P_{c2}:P_m=1:s:(1-s)\)
から、
\(P_{c2}=sP_2=0.04P_2\) …①
2.問題文の条件から、\(P_i\)と\(P_{c1}\)を求める
鉄損\(P_i\)と、一次銅損\(P_{c1}\)は、共に、二次銅損 \(P_{c2}\) の値の \(\frac{1}{2}\)なので、
\(P_i=P_{c1}=\frac{1}{2}P_{c2}=0.02P_2\) …②
3.一次入力\(P_1\)を求める
一次入力\(P_1\)の計算は、注意点があります。
- L形等価回路の電源電圧は相電圧です。
問題文で与えられている電圧は線間電圧\(V_n\)なので、\(\frac{1}{\sqrt{3}}\)倍して\(\frac{V_n}{\sqrt{3}}\)にしなければなりません。 - L形等価回路の電流は線電流です。
問題文で与えられている線電流 \(I_l\) をそのまま式に代入すれば良いです。 - L形等価回路は1相分の回路です。
一次入力\(P_1\)は3相分の電力を求める必要があるので3倍しなければなりません。
相電圧は\(\frac{V_n}{\sqrt{3}}=\frac{400}{\sqrt{3}}\)、線電流\(I_l=25.8A\)、力率\(cosθ=0.8\)から、
\(P_1=3 \frac{V_n}{\sqrt{3}} I_l cosθ= 3・\frac{400}{\sqrt{3}}・25.8・0.8=14299[W]\) …③
4.二次入力\(P_2\)を求める
一次入力\(P_1\)、二次入力\(P_2\)、鉄損\(P_i\)、一次銅損\(P_{c1}\)は、次の関係式で表せます。
\(P_1=P_2+P_i+P_{c1}=P_2+0.02P_2+0.02P_2=1.04P_2\)
③式を代入すると、
\(P_2=\frac{P_1}{1.04}=\frac{14299}{1.04}=13749\) …④
5.二次銅損\(P_{c2}\)を求める
①式に④式を代入することで、二次銅損\(P_{c2}\)が求まります。
\(P_{c2}=0.04P_2=0.04・13749=550\)
以上より、(3)が答えです。
出典元
一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和6年度下期 第三種電気主任技術者試験 機械科目問題問4
参考書
イラストがとても多く、視覚的に理解しやすいので、初学者に、お勧めなテキストです。
問題のページよりも、解説のページ数が圧倒的に多い、初学者に向けの問題集です。
問題集は、解説の質がその価値を決めます。解説には分かりやすいイラストが多く、始めて電気に触れる人でも取り組みやすいことでしょう。
本ブログの管理人は、電験3種過去問マスタを使って電験3種を取りました。
この問題集の解説は、要点が端的にまとまっていて分かりやすいのでお勧めです。
ある程度学んで基礎がある人に向いています。






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