拘束試験とは
誘導電動機の拘束試験は、回転子が動かないように固定して、始動時の状態を人工的に作る試験です。
拘束試験でわかること
回路定数
・インピーダンス\(Z[Ω]\)
・一次抵抗+二次抵抗\(R=r_1+r’_2[Ω]\)
・一次漏れリアクタンス+二次漏れリアクタンス\(X=x_1+x’_2[Ω]\)
始動特性
・始動電流\(I_0[A]\)
・始動トルク\(T_0[N・m]\)
拘束試験の方法
- 回転子を固定して動かなくする。
回転子が動かないことで、滑り\(s=1\)の始動状態を作ることが出来ます。 - 入力する電圧を徐々に上げる。
※定格電圧を与えてしまうと、大電流が流れて焼損します。 - 定格電流になった時点の入力電圧\(V[V]\)・負荷電流\(I[A]\)・有効電力\(P[W]\)を測定する。
- 測定結果から、インピーダンス\(Z[Ω]\)、一次抵抗+二次抵抗\(R[Ω]\)、漏れリアクタンス\(X[Ω]\)を計算する。
各パラメータの計算式
測定結果から、インピーダンス\(Z\)、一次抵抗+二次抵抗\(R=r_1+r’_2\)、漏れリアクタンス\(X\)を算出するための式をまとめると次の通りになります。
・インピーダンス\(Z[Ω]\)
\(\displaystyle Z=\frac{V}{I}\)
・一次抵抗+二次抵抗\(R=r_1+r_2\)
\(\displaystyle R=\frac{P}{3I^2}\)
・漏れリアクタンス\(X=x_1+x_2\)
\(\displaystyle X=\sqrt{Z^2-R^2}\)
拘束試験中の回路
一次抵抗\(r_1\)、二次抵抗\(r_2\)、漏れリアクタンス\(x_1+x_2\)がまとめて測定できる理由は、L形等価回路からわかります。

L形等価回路に滑り\(s=1\)を代入すると、電動機出力を表す負荷抵抗が0になります。

一次抵抗\(r_1\)、二次抵抗\(r_2\)
漏れリアクタンス\(x_1+x_2\) が残ります。
入力電圧\(V[V]\)と、負荷電流\(I[A]\)の測定値から、
\(Z=\frac{V}{I}\) として算出できます。
誘導電動機に入力する有効電力\(P[W]\)を電力計で測定し、負荷電流\(I\)を電流計で測定すると、
\(P=3I^2R\) の式から、\(R=\frac{P}{3I^2}\)として算出できます。
ここで、3倍している理由は、三相誘導電動機の電力は、三相分全部の電力を考慮する必要があるためです。


















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