【電験三種:理論】令和1年度 問6

電験三種令和1年度理論問6 令和1年度

概要

オームの法則と、電力の計算の問題です。解法によっては、分流則、分圧則を使うこともあります。
特筆点の無い程初歩的な問題なので、確実に解答できるようにしましょう。

キーワード
オームの法則、消費電力

 

問題

図に示す直流回路は、\(100V\)の直流電圧源に直流電流計を介して\(10Ω\)の抵抗が接続され、\(50Ω\)の抵抗と抵抗\(R[Ω]\)が接続されている。
電流計は\(5A\)を示している。

抵抗\(R[Ω]\)で消費される電力の値\([W]\)として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
なお、電流計の内部抵抗は無視できるものとする。

 (1)2   (2)10   (3)20   (4)100   (5)200

 

 

 

答え

(5)

解説テキスト リンク

関連箇所直リンク
オームの法則
消費電力

関連箇所直リンク
直列接続
並列接続

 

回答解説

解答の流れは、いくつかアプローチがありますので、2つほど示します。
解答の流れ1が一番スムーズに解答できると思います。

解答の流れ1
① 抵抗\(R\)にかかる電圧を求める。
② 抵抗\(R\)に流れる電流を求める。
③ 消費電力を求める。
 
 

解答の流れ2
A 電流から、全合成抵抗値\(R_{all}\)を求める
B 全合成抵抗値\(R_{all}\)の式を求める
C ①=②から抵抗\(R\)を求める
D 抵抗\(R\)に流れる電流を求める
E 消費電力を求める

解答の流れ1
① 抵抗\(R\)にかかる電圧を求める。

電流計の指示値が\(5A\)であり、電流計の内部抵抗は無視できるため、抵抗\(R[Ω]\)にかかる電圧\(V_R\)は、電源電圧\(E=100V\)から、\(10Ω\)の抵抗の電圧降下を差し引けば算出できます。したがって、
\(V_R=E-IR=100-5・10=50V\)


② 抵抗\(R\)に流れる電流を求める。
抵抗\(R[Ω]\)にかかる電圧\(V_R=50V\)は、\(50Ω\)の抵抗にもかかっているので、\(50Ω\)に流れる電流を\(I_{50}\)とすると、
\(I_{50}=\frac{V_R}{R}=\frac{50}{50}=1A\)

電流の流入・流出が等しいことを示すキルヒホッフの電流則から、抵抗\(R[Ω]\)に流れる電流を\(I_R\)とすると、
\(I_R=I-I_{50}=5-1=4A\)


③ 消費電力を求める。
抵抗\(R\)にかかる電圧\(V_R=50V\)、流れる電流\(I_R=4A\)がわかったので、その消費電力\(P_R[W]\)は、
\(P_R=V_RI_R=50・4=200W\)

以上より、抵抗\(R\)の消費電力\(P_R\)は、(5)200W と求まりました。

 

 

解答の流れ2

A 電流から、全合成抵抗値を求める
電流計の指示値が\(5A\)であり、電流計の内部抵抗は無視できるため、オームの法則から、回路の全抵抗値\(R_{all}\)は、
\(R_{all}=\frac{100}{5}=20Ω\) …①


B 全合成抵抗値\(R_{all}\)の式を求める
\(R[Ω]\)の抵抗と、50Ωの抵抗の並列抵抗を\(R_1\)とすると、
\(\frac{1}{R_1}=\frac{1}{R}+\frac{1}{50}\)
⇔\(R_1=\frac{50R}{R+50}\)

\(R_1\)は、10Ωの抵抗と直列接続しているので、
\(R_{all}=R_1+10=\frac{50R}{R+50}+10\) …②


C ①=②から抵抗\(R\)を求める
①=②から、
\(20=\frac{50R}{R+50}+10\)
⇔\(R=12.5Ω\)


D 抵抗\(R\)に流れる電流を求める。
分流の法則から、抵抗\(R[Ω]\)に流れる電流を\(I_R[A]\)とすると、
\(I_R=\frac{50}{12.5+50}・5=4A\)


E 消費電力を求める
抵抗\(R\)の抵抗値が\(R=12.5Ω\)、流れる電流が\(I_R=4A\)とわかったので消費電力\(P_R[W]\)は、
\(P_R=I_R^2・R=4^2・12.5=200W\)

以上より、抵抗\(R\)の消費電力\(P_R\)は、(5)200W と求まりました。

 

 

 

出典元

一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和1年度 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問6

参考書

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