二端子対回路とは

入力と出力の電流電圧の関係さえ分かれば、その回路の特性が分かるので、中身を考える必要がありません。
そのため、中身はわからないブラックボックスとすることで、回路を簡単なモデル化して簡単に解析できるようにした等価回路表現です。
二端子対回路の表現方法
二端子対回路の入出力は、\(v_{in}\)、\(i_{in}\)、\(v_{out}\)\(i_{out}\)の4つがあります。
この4つの関係を表す表現方法として、3つの方法があります。
Zパラメータ
\(\begin{bmatrix}v_1 \\ v_2 \end{bmatrix}=\begin{bmatrix}z_{11} && z_{12} \\z_{21} && z_{22} \end{bmatrix}\begin{bmatrix}i_1 \\ i_2 \end{bmatrix}\)
入出力の電流\(i_1,i_2\)により、入出力の電圧\(v_1,v_2\)を表す方法です。
この場合の係数はインピーダンス\(Z\)であるため、この係数行列をZパラメータと呼びます。
ブラックボックスとした回路を直列接続するとき、行列計算で特性を計算できる利点があります。
Yパラメータ
\(\begin{bmatrix}i_1 \\ i_2 \end{bmatrix}=\begin{bmatrix}y_{11} && y_{12} \\y_{21} && y_{22} \end{bmatrix}\begin{bmatrix}v_1 \\ v_2 \end{bmatrix}\)
入出力の電圧\(v_1,v_2\)により、入出力の電流\(i_1,i_2\)を表す方法です。
この場合の係数はアドミタンス\(Y\)であるため、この係数行列をYパラメータと呼びます。
ブラックボックスとした回路を並列接続するとき、行列計算で特性を計算できる利点があります。
Hパラメータ
\(\begin{bmatrix}v_1 \\ i_2 \end{bmatrix}=\begin{bmatrix}h_{11} && h_{12} \\h_{21} && h_{22} \end{bmatrix}\begin{bmatrix}i_1 \\ v_2 \end{bmatrix}\)
入力電流\(i_1\)、出力電圧\(v_2\)により、
入力の電圧\(v_1\)、出力電流\(i_2\)を表す方法です。
この場合の係数はインピーダンス\(Z\)とアドミタンス\(Y\)が混ざっていることからハイブリッド(Hybrid)と呼ばれ、この係数行列をHパラメータと呼びます。
電子回路の解析では、主にHパラメータを使います。
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参考書
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