【電験三種】令和7年度上期 法規 解答例

電験三種令和7年度上期 法規 令和7年度上期

法令のリンク

電気事業法 
 問1(第二十八条)、

電気関係報告規則
 問2(第三条)

電気設備に関する技術基準を定める省令 
 問3(第二十二条)

電気設備の技術基準の解釈(経済産業省pdf資料)
 問4(第23条)、問6(第116条)、問7(第227条)、
 問8(第167条・第168条)、問9(第162条)

発電用風力設備に関する技術基準を定める省令
 問5(第七条)

 

問1.(5)

(ア)業務規程
(イ)会員
(ウ)電気事業者

(ア)について
電気事業法第28条でOCCTOについて定めています。
OCCTOでは、送配電等業務指針も、業務規程も定めており、どちらも需給状況の悪化時の指示等という項目でそれぞれ定められています。
OCCTOの送配電等業務指針、業務規程を理解、暗記することは無意味なので、(ア)の選択肢では「保安規程」が選択肢として間違いであることさえわかれば十分です。

(イ)について
OCCTOは、”会員”である小売電気事業者、一般送配電事業者、配電事業者、特定送配電事業者に対し、指示ができます。(業務規程第9章:第111条)

(ウ)について
電気事業法第三十一条の条文です。

保安規程とは、電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するために定められる規定です。電気工作物の設置者が定める規定であり、電気主任技術者にとって最も関りが深い規程です。

 

以上より、(5)が答えです。

 

問2.(4)

電気関係報告規則 第三条に関する問題です。

(1) 電圧100Vの屋内配線が過負荷により高熱となり、電気火災が発生して建物が半焼した。
  ➡電機火災事故として報告義務があります。

(2) 落雷により高圧負荷開閉器が焼損し、一般送配電事業者に供給支障事故を発生させた。
  ➡波及事故として報告義務があります。

(3) 高圧の断路器を誤って操作した電気工事作業者が、発生したアーク熱により火傷を負い、病院に入院した。
  ➡感電死傷事故として報告義務があります。

(4) 高圧の受電用真空遮断器が誤操作により損傷し、操作不能になった。
  ➡報告不要です。

(5) 構内第1号柱が折損して構外に隣接する需要家の建物を損傷させた。
  ➡電気工作物の破損により、他の物件に損傷を与え、その機能の一部を損なわせた事故

以上より、(4)が答えです。

 

問3.(1)

電気設備に関する技術基準を定める省令 第二十二条の問題です。

第二十二条
低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、(ア)使用電圧に対する漏えい電流が(イ)最大供給電流(ウ)二千分の一を超えないようにしなければならない。

 

以上より、(1)が答えです。

 

問4.(3)

電気設備の技術基準の解釈 第23条の問題です。

第23条 高圧用又は特別高圧用の開閉器、遮断器又は避雷器その他これらに類する器具(以下この条において「開閉器等」という。)であって、動作時にアークを生じるものは、次の各号のいずれかにより施設すること。

一 耐火性のものでアークを生じる部分を囲むことにより、木製の壁又は天井その他の(ア)可燃性のものから隔離すること。

二 木製の壁又は天井その他の可燃性のものとの離隔距離を、23-1表に規定する値以上とすること。

開閉器等の
使用電圧の区分
離隔距離
高圧(イ)1m
特別高圧     35000V以下     (ウ)2m(動作時に生じるアークの方向及び長さを火災が発生するおそれがないように制限した場合にあっては、(イ)1m
35000V超過(ウ)2m

 

以上より、(3)が答えです。

 

問5.(4)

発電用風力設備に関する技術基準を定める省令 第七条の問題です。

第七条
風車を支持する工作物は、自重、積載荷重、(ア)積雪及び風圧並びに地震その他の振動及び(イ)衝撃に対して構造上安全でなければならない。
2 発電用風力設備が小規模発電設備である場合には、風車を支持する工作物に取扱者以外の者が容易に(ウ)登ることができないように適切な措置を講じること。

 

以上より、(4)が答えです。

 

問6.(2)

電気設備技術基準の解釈 第116条に関する問題です。

第116条 低圧架空引込線は、次の各号により施設すること。
二 電線は、ケーブルである場合を除き、引張強さ2.30kN以上のもの又は
  (ア)直径2.6mm以上の硬銅線であること。
  ただし、径間が(イ)15m以下の場合に限り、引張強さ1.38kN以上のもの
  又は直径(ウ)2mm以上の硬銅線を使用することができる。

一、三~八号 省略

以上より、(2)が答えです。

 

問7.(5)

電気設備技術基準の解釈 第227条に関する問題です。

第227条
低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は、次の各号により、異常時に分散型電源を自動的に解列するための装置を施設すること。
一 次に掲げる異常を保護リレー等により検出し、分散型電源を自動的に解列すること。
  イ 分散型電源の異常又は故障
  ロ 連系している電力系統の短絡事故、地絡事故又は高低圧混触事故
  ハ 分散型電源の(ア)単独運転又は逆充電

二 一般送配電事業者が運用する電力系統において(イ)再閉路が行われる場合は、
  当該(イ)再閉路時に、分散型電源が当該電力系統から解列されていること。

四 分散型電源の解列は、次によること。
  イ 次のいずれかで解列すること。
   (イ) 受電用遮断器
   (ロ) 分散型電源の出力端に設置する遮断器又はこれと同等の機能を有する装置
   (ハ) 分散型電源の(ウ)連絡用遮断器
  ロ 前号ロの規定により複数の相に保護リレーを設置する場合は、
    いずれかの相で異常を検出した場合に解列すること。

以上より、(5)が答えです。

 

問8.(4)

電気設備技術基準の解釈 第167条・第168条に関する問題です。

第167条
2 合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バスダクト工事、ケーブル工事、フロアダクト工事、セルラダクト工事、ライティングダクト工事又は平形保護層工事により施設する低圧配線が、弱電流電線又は水管等と接近し又は交差する場合は、次項ただし書の規定による場合を除き、低圧配線が弱電流電線又は水管等と(ア)接触しないように施設すること。

第168条
一 高圧屋内配線は、次に掲げる工事のいずれかにより施設すること。
  イ がいし引き工事(乾燥した場所であって(イ)展開した場所に限る。)
  ロ (ウ)ケーブル工事

以上より、(4)が答えです。

 

問9.(1)

電気設備技術基準の解釈 第162条に関する問題です。

第162条 金属ダクト工事による低圧屋内配線の電線は、次の各号によること。
 一 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)であること。
 二 ダクトに収める電線の断面積(絶縁被覆の断面積を含む。)の総和は、
   ダクトの内部断面積の(ア)20%以下であること。
   ただし、電光サイン装置、出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等
   (自動制御回路、遠方操作回路、遠方監視装置の信号回路その他これらに類する
    電気回路をいう。)の配線のみを収める場合は、(イ)50%以下とすることができる。

 

3 金属ダクト工事に使用する金属ダクトは、次の各号により施設すること。
 一 ダクト相互は、堅ろうに、かつ、(ウ)電気的に完全に接続すること。
 二 ダクトを造営材に取り付ける場合は、ダクトの支持点間の距離を3m
  (取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所において、
   垂直に取り付ける場合は、6m)以下とし、堅ろうに取り付けること。
 三 ダクトのふたは、容易に外れないように施設すること。
 四 ダクトの終端部は、閉そくすること。
 五 ダクトの内部にじんあいが侵入し難いようにすること。
 六 ダクトは、水のたまるような低い部分を設けないように施設すること。
 七 低圧屋内配線の(エ)使用電圧が300V以下の場合は、ダクトには、
   D種接地工事を施すこと。(関連省令第10条、第11条)
 八 低圧屋内配線の(エ)使用電圧が300Vを超える場合は、ダクトには、
   C種接地工事を施すこと。ただし、(オ)接触防護措置
   (金属製のものであって、防護措置を施すダクトと(ウ)電気的
   接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は、
   D種接地工事によることができる。(関連省令第10条、第11条)

以上より、(1)が答えです。

 

問10.(5)

GR付PASは負荷電流を遮断することができるが、(ア)短絡電流のような大きな電流は遮断できないため、GR付PASの(イ)負荷側から受電用遮断器の間で(ア)短絡事故が起きた場合は、PASの(ウ)開放命令を一時的に保存して待機状態となる。

一般送配電事業者の配電用変電所の遮断器が動作することによって、配電線の停電を検出し、無電圧になった状態を確認してから(ウ)開放動作を行う。

したがって、配電用変電所の遮断器が再投入された場合でも、既にPASが(ウ)開放されているため,配電線の再閉路が成功することとなり、(エ)波及事故として取り扱われない。

以上より、(5)が答えです。

 

問11.A(3)/B(5)

A問題

渇水量\(Q_{355}\)を求めます。渇水量は1 年のうち355 日は確保できる水量なので、\(d=355\)[日]として、
\(Q_{355}=-0.05d+25.5=-0.05・355+25.5=7.75[m^3/s]\) …①

発電機の最大使用水量\(Q_m[m^3/s]\)は、渇水量\(Q_{355}\)の倍なので、
\(Q_m=2Q_{355}=15.5[m^3/s]\) …②

問題文から与えられた年間流量曲線の式\(Q=-0.05d+25.5\)から、最大使用水量の日数は、
\(15.5=-0.05d+25.5\) ⇔ \(d=200\)[日]
したがって、1~200日は最大使用水量\(Q_m\)で発電します。

次に、200日以降の使用水量\(Q_{ave}\)を求めます。
使用水量は、直線的に落ちていくので、200日目の使用水量(②式)と、365日目の使用水量\(Q_{365}\)の平均値を求めることで、\(Q_{ave}\)が求まります。

\(Q_{200}=-0.05・200+25.5=15.5\)
\(Q_{365}=-0.05・365+25.5=7.25\)
\(Q_{ave}=\frac{Q_{200}+Q_{365}}{2}=11.375\) …③

以上より、
1~200日目の使用水量\(Q_m=15.5[m^3/s]\)
200日目以降の使用水量\(Q_{ave}=11.375[m^3/s]\)
が求まりました。

次に、1~200日目までの発電電力量\(P_{200}[GW・h]\)と、
200日目以降の発電電力量\(P_{ave}[GW・h]\)を求めます。

\(\begin{eqnarray}
P_{200}&=&9.8Q_mHη×24[時間]×200[日]\\
&=&9.8・15.5・90・0.8・24・200\\
&=&52496640[kW・h]=52.5[GW・h]
\end{eqnarray}\)

\(\begin{eqnarray}
P_{ave}&=&9.8Q_{ave}Hη×24[時間]×200[日]\\
&=&9.8・11.375・90・0.8・24・165\\
&=&31783752[kW・h]=31.8[GW・h]
\end{eqnarray}\)

以上より、年間可能発電電力量\(P=P_{200}+P_{ave}=84.3[GW・h]\)

以上より、A問題は(3)84.3が答えです。

 


B問題

発電機の最大使用水量\(Q_m=15.5[m^3/s]\)で、
365日発電できたとしたときの年間発電電力量\(P_{max}[GW・h]\)は、

\(\begin{eqnarray}
P_{max}&=&9.8Q_mHη×24[時間]×365[日]\\
&=&9.8・15.5・90・0.8・24・365\\
&=&95806368[kW・h]=95.8[GW・h]
\end{eqnarray}\)

A問題で求めた年間可能発電電力量は\(P=84.3[GW・h]\)です。

設備利用率\(F\)は、
\(F=\frac{P}{P_{max}}=\frac{84.3}{95.8}=88.0\)

以上より、B問題は(5)88.0が答えです。

 

問12.A(2)/B(2)

A問題
定格電流\(I_n[A]\)は、
\(I_n=\frac{P}{\sqrt{3}V}=\frac{500・10^3}{\sqrt{3}・6600}=43.74[A]\)

負荷設備から発生する第5調波電流\(I_5[A]\)は、負荷設備の定格電流に対して15%なので、
\(I_5=0.15I_n=6.56≒6.6[A]\)

以上より、A問題は(2)6.6が答えです。

 


B問題
配電線路側の第5調波に対する%インピーダンスは、10MV・A基準で、
\(j6・5=j30\)[%]

コンデンサ設備の%インピーダンスは、10MV・A基準で、
\(j50×(6×5-\frac{100}{5})=j500\)[%]

したがって、配電系統へ流出する第5調波電流\(I_o\)は、分流の法則から、
\(I_o=I_5・\frac{500}{500+30}=6.2[A]\)

以上より、B問題は(2)6.2 が答えです。

 

問13.A(2)/B(3)

A問題
6~18時の間で発電する電力量\(P_G[kWh]\)は、三角形の面積を求めればよいので、
\(P_G=\frac{600・12}{2}=3600[kWh]\)

発電電力と消費電力の交点を求めます。
発電電力増加中のときの傾きは\(100[kW]\)、変化中の発電電力を\(p[kW]\)で表すと、\(p=100kW\)の時に交わるので、
\(p=100(t-6)=100\) ⇔ \(t=7時\)

発電電力現象中のときの傾きは\(-100[kW]\)、\(p=300kW\)の時に交わるので、
\(p=-100(t-18)=300\) ⇔ \(t=15時\)

6~18時の間で消費される発電電力量\(P_{use}\)は、
06~07時 \(100×1÷2=50[kWh]\)
07~10時 \(100×3=300[kWh]\)
10~15時 \(300×5=1500[kWh]\)
15~18時 \(300×3÷2=450[kWh]\)
\(P_{use}=50+300+1500+450=2300[kWh]\)

太陽電池発電所から電力系統に送電した電力量\(P_s[kWh]\)は、
\(P_s=P_G-P_{use}=3600-2300=1300[kWh]\)

以上より、A問題は(2)1300 が答えです。

 


1日の総消費電力量\(P_{total}\)は、
00~10時 \(100×10=1000[kWh]\)
10~17時 \(300×7=2100[kWh]\)
17~21時 \(400×4=1600[kWh]\)
21~24時 \(100×3=300[kWh]\)
\(P_{total}=1000+2100+1600+300=5000[kWh]\)

6~18時の間で消費される発電電力量\(P_{use}=2300kWh\)なので、
自給率\(R\)は、
\(R=\frac{P_{use}}{P_{total}}=\frac{2300}{5000}=0.46\)

以上より、B問題は(3)46 が答えです。

 

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