概要
複数電源の直流回路網の計算問題です。
問5と同じく、複数電源がある回路の解析は重ねの理を使って解析するか、キルヒホッフの法則から連立方程式を立てて解析する方法があります。
どちらでも解析可能ですが、電源が多いため重ねの理による解析は手間なので、本ページではキルヒホッフの電圧則を使って解析します。
キーワード
キルヒホッフの法則
問題
図の回路において、抵抗\(R[Ω]\)には電流\(0.3A\)が流れている。
抵抗\(R\)の値\([Ω]\)として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 2.0 (2) 2.8 (3) 3.7 (4) 4.9 (5) 25
答え
(1)
解説テキスト リンク
回答の解説
(1)キルヒホッフの電圧則から連立方程式を立てて解析する
(1)キルヒホッフの電圧則から連立方程式を立てて解析する

\(i_1\)のループについてキルヒホッフ電圧則の式を立てます。
\(3-4 = i_1R+1・(i_1-i_2)\) …①
\(i_2\)のループについてキルヒホッフ電圧則の式を立てます。
\(9+4 = 6i_2+1・(i_2-i_1)\) …②
①・②式を整理します。
\(\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
-1 = (1+R)i_1-i_2 …③\\
13 = -i_1+7i_2 …④
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}\)
③×7+④を計算すると、
\(6=(6+7R)i_1\) ⇔ \(\displaystyle i_1=\frac{6}{6+7R}\) …⑤
抵抗\(R[Ω]\)には電流\(0.3A\)が流れているという問題の条件から、
\(i_1=0.3A\) …⑥
⑤式に⑥式を代入して整理すると
\(\displaystyle 0.3=\frac{6}{6+7R}\) ⇔ \(R=2Ω\)
以上より、(1)2.0 が答えです。
出典元
一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問6
参考書
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