概要
RC回路の周波数によって電流の大きさが変化するので、その大きさを求める計算問題です。
基礎的な問題なので、確実に回答できるようになりましょう。
キーワード
RC回路
問題
\(4Ω\)の抵抗と静電容量が\(C[F]\)のコンデンサを直列に接続したRC回路がある。
このRC回路に、周波数50Hzの交流電圧100Vの電源を接続したところ、20Aの電流が流れた。
では、このRC回路に、周波数60Hzの交流電圧100Vの電源を接続したとき、RC回路に流れる電流の値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 16.7 (2) 18.6 (3) 21.2 (4) 24.0 (5) 25.6
答え
(3)
解説テキスト リンク
回答の解説
(1)コンデンサの静電容量を求める
(2)60Hzの時の電流を求める
(1)コンデンサの静電容量を求める
50HzのときのRC回路のインピーダンスを\(Z_{50}[Ω]\)とすると、
\(\displaystyle Z_{50}=R+\frac{1}{j2πfC}=4+\frac{1}{j2π×50×C}=4+\frac{1}{j100πC}\)
\(\displaystyle |Z_{50}|=\sqrt{4^2+\left( \frac{1}{100πC}\right)^2}\) …①
このとき、\(I=20A\)の電流が流れるので、
\(|Z_{50}|=\frac{V}{I}=\frac{100}{20}=5Ω\) …②
①=②式なので、
\(\displaystyle \sqrt{4^2+\left( \frac{1}{100πC}\right)^2}=5\)
⇔ \(\displaystyle 4^2+\left( \frac{1}{100πC}\right)^2=5^2\)
⇔ \(\displaystyle \left( \frac{1}{100πC}\right)^2=5^2-4^2=9\)
⇔ \(\displaystyle \frac{1}{100πC}=3\)
⇔ \(\displaystyle C=\frac{1}{300π}[F]\) …③
(2)60Hzの時の電流を求める
60HzのときのRC回路のインピーダンスを\(Z_{60}[Ω]\)として③式を代入すると、
\(\displaystyle Z_{60}=R+\frac{1}{j2πfC}=4+\frac{1}{j120π・\frac{1}{300π}}=4+\frac{2.5}{j}=4-j2.5\)
\(|Z_{60}|=\sqrt{4^2+2.5^2}=4.717Ω\)
このときの電流\(I_{60}\)をオームの法則で求めると、
\(I_{60}=\frac{100}{4.717}=21.2A\)
以上より、答えは(3)です。
出典元
一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和6年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問9
参考書
イラストがとても多く、視覚的に理解しやすいので、初学者に、お勧めなテキストです。
問題のページよりも、解説のページ数が圧倒的に多い、初学者に向けの問題集です。
問題集は、解説の質がその価値を決めます。解説には分かりやすいイラストが多く、始めて電気に触れる人でも取り組みやすいことでしょう。
本ブログの管理人は、電験3種過去問マスタを使って電験3種を取りました。
この問題集の解説は、要点が端的にまとまっていて分かりやすいのでお勧めです。
ある程度学んで基礎がある人に向いています。
コメント