概要
令和5年度下期問14からの再出題です。
単位に関する問題です。
問題文は非常に簡素ですが、その分情報が少ないため難しいかもしれません。
各単位が何を示す単位であるかと、示す物の公式を知っていないと選択肢を絞ることができないので、公式の理解が問われます。
キーワード
SI単位系、静電容量C[F]、磁束φ[Wb]、コンダクタンスG[S]、磁束密度[T]、有効電力P[W]
問題
固有の名称をもつSI組立単位の記号と、これと同じ内容を表す他の表し方の組合せとして、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
SI組立単位の記号 | SI基本単位及び SI組立単位による他の表し方 | |
---|---|---|
(1) | F | C/V |
(2) | Wb | V/s |
(3) | S | A/V |
(4) | T | Wb/m^2 |
(5) | W | J/s |
答え
(2)
解説テキスト リンク
回答の解説
(1)静電容量C[F]
静電容量Cの単位は、[F]ファラデーです。
電荷Q、静電容量C、電圧Vの関係式は、Q=CVなので、
静電容量Cは、\displaystyle C=\frac{Q}{V}と表されます。
電荷Qの単位は、[C]クーロンです。
電圧Vの単位は、[V]ボルトです。
したがって、他の表し方は、\displaystyle [F]=[C/V]ですので、正しい組合せです。
(2)磁束φ[Wb]
磁束φの単位は、[Wb]ウェーバーです。
ファラデーの電磁誘導の法則から、\displaystyle V=-\frac{dφ}{dt}なので、
磁束φは、dφ=-Vdtと表されます。
電圧Vの単位は、[V]ボルトです。
微小時間dtの単位は、[s]です。
したがって、他の表し方は、\displaystyle [Wb]=[V・s]ですので、誤った組合わせです。
(3)コンダクタンスG[S]
コンダクタンスGの単位は、[S]ジーメンスです。
コンダクタンスGは、抵抗R[Ω]の逆数です。
コンダクタンスGの公式は、\displaystyle G=\frac{I}{V}です。
電流Iの単位は、[A]アンペアです。
電圧Vの単位は、[V]ボルトです。
したがって、他の表し方は、\displaystyle [S]=[A/V]ですので、正しい組合せです。
(4)磁束密度B[T]
磁束密度Bの単位は、[T]テスラです。
磁束φ、磁束密度B、面積Sの関係式は、φ=BSなので、
磁束密度Bは、\displaystyle B=\frac{φ}{S}と表されます。
磁束φの単位は、[Wb]ウェーバーです。
面積Sの単位は、[m^2]平方メートルです。
したがって、他の表し方は、\displaystyle [T]=[Wb/m^2]ですので、正しい組合せです。
(5)有効電力P[W]
有効電力Pの単位は、[W]ワットです。
有効電力Pの公式は、\displaystyle P=\frac{W}{t}です。
仕事Wの単位は、[J]ジュールです。
時間tの単位は、[s]秒です。
したがって、他の表し方は、\displaystyle [W]=[J/s]ですので、正しい組合せです。
以上より、(2)が答えです。
出典元
一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和6年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問14
参考書
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