概要
抵抗の温度係数に関する問題です。
温度と抵抗値の関係式を理解していれば簡単に解答できますので、理解しておくとよいでしょう。
キーワード
抵抗の温度係数
問題
図の回路において、スイッチS を閉じ、直流電源から金属製の抵抗に電流を流したとき、発熱により抵抗の温度が120 ℃になった。
スイッチS を閉じた直後に回路を流れる電流に比べ、抵抗の温度が120 ℃になったときに回路を流れる電流は、どのように変化するか。
最も近いものを次の(1)～(5)のうちから一つ選べ。
ただし、スイッチS を閉じた直後の抵抗の温度は20 ℃とし，抵抗の温度係数は一定で \(0.005℃^{-1}\)とする。
また、直流電源の起電力の大きさは温度によらず一定とし、直流電源の内部抵抗は無視できるものとする。
(1) 変化しない (2) 50 ％増加 (3) 33 ％減少
(4) 50 ％減少 (5) 33 ％増加
答え
(３)
解説テキスト リンク
回答解説
解答の流れ
①各温度によって変化する抵抗値を計算する
②各温度の電流値をオームの法則から算出する
③算出した電流値を比較する
①各温度によって変化する抵抗値を計算する
各パラメータを次のようにします。
・温度が\(t_{20}=20℃\)のときの抵抗値：\(R_{20}[Ω]\)
・温度が\(t_{120}=120℃\)のときの抵抗値：\(R_{120}[Ω]\)
・抵抗の温度係数：\(α=0.005[/℃]\)
この時、抵抗値の関係式は、
\(R_{120}=(1+α(t_{120}-t_{20}))R_{20}\)
⇔\(R_{120}=(1+0.005(120-20))R_{20}\)
⇔\(R_{120}=1.5R_{20}\)
②各温度の電流をオームの法則から算出する
\(t_{20}=20℃\)のときの電流は、
\(\displaystyle I_{20}=\frac{V}{R_{20}}\)
\(t_{100}=100℃\)のときの電流は、
\(\displaystyle I_{100}=\frac{V}{R_{100}}=\frac{V}{1.5R_{20}}=0.67I_{20}\)
③比較する
\(\displaystyle \frac{I_{100}}{I_{20}}=0.67\)
したがって、33%減少することがわかります。
以上より、(3) 33 ％減少 が答えです。
出典元
一般財団法人電気技術者試験センター （https://www.shiken.or.jp/index.html）
令和５年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論科目Ａ問題問７
参考書
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