概要
電圧源と電流源を持つ回路の問題です。
重ねの理の使い方を理解していれば、非常に簡単な問題です。
重ねの理の他にも、キルヒホッフの法則を使った方程式を立てる解法があります。
キーワード
重ねの理、キルヒホッフの法則
問題
図のような直流回路において、\(3Ω\)の抵抗を流れる電流の値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 0.35 (2) 0.45 (3) 0.55 (4) 0.65 (5) 0.75
答え
(5)
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回答解説
重ねの理で解く
① 2つの分離回路に分ける
4Vの電圧源回路と、2Aの電流源回路の2つに分けます。
このとき、解析しない方の電源のうち、「電圧源は短絡」「電流源は開放」します。
② 4Vの電圧源回路の解析
4Vの電圧源について、回路解析をします。
もう片方の2Aの電流源は、開放除去します。
4Vの電圧源から\(R_1\)の抵抗に送られる電流は、
\(\displaystyle I_1=\frac{E}{R_1+R_2}=\frac{4}{3+5}=0.5[A]\)
です。
③ 2Aの電流源回路の解析
2Aの電流源について、回路解析をします。
もう片方の4Vの電圧源は、短絡除去します。
2Aの電流源から\(R_1\)の抵抗に送られる電流は、\(I’_1[A]\)とします。
電流\(I’_1\)は、分流の式から
\(I’_1=\frac{R_2}{R_1+R_2}I\)
数字を代入していくと、
\(\displaystyle I’_1=\frac{5}{3+5}2=1.25[A]\)
です。
④ 結果の重ね合わせ
②・③で解析した結果\(I_1\)、\(I’_1\)を重ね合わせます。電流が右から左側に流れる方向をプラスとして計算すると、
\(I’_1-I_1=1.25-0.5=0.75[A]\)
となるので、電流が右から左に流れています。
以上より、(5) 0.75 が答えです。
キルヒホッフの法則で解く
キルヒホッフの法則から、方程式を立式します。
キルヒホッフの電流則から、「接点Aに流入する電流=接点Aから流出する電流」なので、
\(I_1+2=I_2\) …①
次に、キルヒホッフの電圧則から、左図の橙色の閉ループを考えると、
\(E=I_1R_1+I_2R_2\) …②
②式に①式を代入して整理していきます。
⇔\(E=I_1R_1+(I_1+2)R_2\)
⇔\(4=3I_1+5(I_1+2)\)
⇔\(I_1=-0.75\)
\(I_1\)の値がマイナスなので、\(I_1\)は右から左に0.75[A]流れているということがわかります。
以上より、(5) 0.75 が答えです。
出典元
令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問6
参考書
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問題集は、解説の質がその価値を決めます。解説には分かりやすいイラストが多く、始めて電気に触れる人でも取り組みやすいことでしょう。
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