概要
オームの法則と、合成抵抗の問題です。
初歩中の初歩の問題であるため、確実に解答したいところです。
キーワード
オームの法則、合成抵抗、分流の法則
問題
図1のように、二つの抵抗\(R_1=1Ω\)、\(R_2[Ω]\)と電圧\(V[V]\)の直流電源からなる回路がある。
この回路において、抵抗\(R_2[Ω]\)の両端の電圧値が\(100 V\)、流れる電流\(I_2\)の値が\(5A\)であった。この回路に図2のように抵抗\(R_3=5Ω\)を接続したとき、抵抗\(R_3[Ω]\)に流れる電流\(I_3\)の値\([A]\)として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 4.2 (2) 16.8 (3) 20 (4) 21 (5) 26.3
答え
(2)
解説テキスト リンク
回答解説
解答の流れ
①図1の回路の抵抗\(R_2\)をオームの法則から求める。
②図1の回路の電源電圧\(E[V]\)を求める。
③図2の抵抗\(R_1\)に流れる電流\(I’_1\)を求める。
④分流の法則から、抵抗\(R_3\)に流れる電流\(I’_3\)を求める。
①図1の回路の抵抗\(R_2\)をオームの法則から求める。
オームの法則から、
\(\displaystyle R_2=\frac{V_2}{R_2}=\frac{100}{5}=20Ω\)
②図1の回路の電源電圧\(E[V]\)を求める。
\(E=I_2(R_1+R_2)=5(1+20)=105V\)
図2の回路に①・②で求めた
・\(R_2=20Ω\)
・\(E=105V\)
を反映する。
③図2の抵抗\(R_1\)に流れる電流\(I’_1\)を求める。
まず、図2の回路の全抵抗の合成抵抗\(R\)を求めます。
\(R_2\)と、\(R_3\)の並列接続の合成抵抗を\(R_{23}\)とすると、
\(\frac{1}{R_{23}}=\frac{1}{R_2}+\frac{1}{R_3}\)
⇔\(R_{23}=\frac{R_2R_3}{R_2+R_3}=\frac{20・5}{20+5}=4Ω\)
全抵抗の合成抵抗\(R\)は、\(R_1\)と\(R_{23}\)の直列接続の合成抵抗なので、
\(R=R_1+R_{23}=1+4=5Ω\)
次に、オームの法則から、抵抗\(R_1\)に流れる電流\(I’_1\)を求めます。
\(I’_1=\frac{E}{R}=\frac{105}{5}=21A\)
④分流の法則から、抵抗\(R_3\)に流れる電流\(I’_3\)を求める。
抵抗\(R_1\)に流れる電流\(I’_1=21A\)とわかったので、分流の法則から、抵抗\(R_3\)に流れる電流\(I’_3\)を求めます。
\(\displaystyle I’_3=\frac{R_2}{R_2+R_3}I’_1=\frac{20}{20+5}・21=16.8A\)
以上より、抵抗\(R_3[Ω]\)に流れる電流\(I_3\)の値は、16.8Aです。
別解
①~③の解答手順までは同じです。
④の解答手順を、分流の法則を使わずに解答します。
電源電圧\(E=105V\)から、抵抗\(R_1=1Ω\)に電流\(I’_1=21A\)が流れることから、抵抗\(R_2\)、\(R_3\)の両端にかかる電圧を\(V’_{23}\)として求めると、
\(V’_{23}=E-I’_1R_1=105-21・1=84V\)
抵抗\(R_3\)に流れる電流\(I’_3\)をオームの法則から求めると、
\(\displaystyle I’_3=\frac{V’_{23}}{R_3}=\frac{84}{5}=16.8A\)
出典元
一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問5
参考書
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