【電験三種:理論】令和4年度下期 問8

電験三種令和4年度下期理論問8 交流回路

概要

交流波形の波形率、波高率の知識を問う論説問題です。
似たような用語なうえ、波形率、波高率を気にする機会はあまり多くないと思われます。また、それぞれがどのような意味を表すかを理解する必要があるため、難しい問題です。

キーワード
交流回路、波形率、波高率

 

問題

波形率とは、実効値の に対する比(\(\displaystyle 波形率=\frac{実効値}{\fbox{ ア }}\))をいう。

波形率の値は波形によって異なり、正弦波と比較して、三角波のようにとがっていれば、波形率の値は なり、方形波のように平らであれば,波形率の値は なる。

波高率とは、 の実効値に対する比(\(\displaystyle 波高率=\frac{\fbox{ エ }}{実効値}\)) をいう。

波高率の値は波形によって異なり正弦波と比較して、三角波のようにとがっていれば、波高率の値は なり、方形波のように平らであれば、波高率の値は なる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(カ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)(カ)
(1)平均値大きく小さく最大値大きく小さく
(2)最大値大きく小さく平均値大きく小さく
(3)平均値小さく大きく最大値小さく大きく
(4)最大値小さく大きく平均値小さく大きく
(5)最大値大きく大きく平均値小さく小さく

 

 

答え

(1)

解説テキスト リンク

関連箇所直リンク
波形率
波高率

 

回答解説

波形率
波形率とは、実効値の ア=平均値 に対する比(\(\displaystyle 波形率=\frac{実効値}{平均値}\))をいう。

方形波
実効値:\(V_{rms}=1\)
平均値:\(V_{ave}=1\)
波形率:\(\frac{V_{rms}}{V_{ave}}=1\)

三角波 (三角波の実効値、平均値の算出をすると長くなるので割愛します。)
実効値:\(V_{rms}=\frac{1}{\sqrt{3}}\)
平均値:\(V_{ave}=\frac{1}{2}\)
波形率:\(\frac{V_{rms}}{V_{ave}}=\frac{2}{\sqrt{3}}=1.15\)

したがって、三角波のようにとがっていれば、波形率の値は イ=大きく なり、方形波のように平らであれば,波形率の値は ウ=小さく なる。


波高率
波高率とは、 エ=最大値 の実効値に対する比(\(\displaystyle 波高率=\frac{最大値}{実効値}\)) をいう。

方形波
最大値:\(V_m=1\)
実効値:\(V_{rms}=1\)
波形率:\(\frac{V_m}{V_{rms}}=1\)

三角波 (三角波の実効値、平均値の算出をすると長くなるので割愛します。)
最大値:\(V_m=1\)
実効値:\(V_{rms}=\frac{1}{\sqrt{3}}\)
波形率:\(\frac{V_m}{V_{rms}}=\frac{1}{\frac{1}{\sqrt{3}}}=\sqrt{3}=1.73\)

波高率の値は波形によって異なり正弦波と比較して、三角波のようにとがっていれば、波高率の値は オ=大きく なり、方形波のように平らであれば、波高率の値は カ=小さく なる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(カ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

 

出典元

一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問8

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