概要
交流回路のオームの法則の問題です。
グラフから電圧の位相を読むことと、負荷を流れる電流の大きさ・位相がどうなるかをそれぞれ考える必要があります。
本問は、負荷が抵抗だけで電圧と電流の位相が同じため、グラフさえ読み取れれば簡単に解答を導くことができます。
キーワード
交流回路、オームの法則、電流の大きさ、電流の位相
問題
図1の回路において、図2のような波形の正弦波交流電圧\(v[V]\)を抵抗\(5Ω\)に加えたとき、回路を流れる電流の瞬時値\(i[A]\)を表す式として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、電源の周波数を\(50Hz\)、角周波数を\(ω[rad/s]\)、時間を\(t[s]\)とする。
(1)\(\displaystyle 20\sqrt{2}sin \left( 50πt-\frac{π}{4} \right)\)
(2)\(\displaystyle 20sin \left( 50πt+\frac{π}{4} \right)\)
(3)\(\displaystyle 20sin \left( 100πt-\frac{π}{4} \right)\)
(4)\(\displaystyle 20\sqrt{2}sin \left( 100πt+\frac{π}{4} \right)\)
(5)\(\displaystyle 20\sqrt{2}sin \left( 100πt-\frac{π}{4} \right)\)
答え
(5)
解説テキスト リンク
関連箇所直リンク
・R回路
回答解説
解答の流れ
① 問題文の条件から正弦波交流電圧\(v[V]\)の式を導き出す
② オームの法則から\(i[A]\)を計算する
① 問題文の条件から正弦波交流電圧\(v[V]\)の式を導き出す
正弦波交流電圧の振幅\(V_m\)は、
\(V_m=100\sqrt{2}V\)
周波数\(f[Hz]\)は、問題文から\(f=50Hz\)
位相\(θ\)は、グラフが、\(\frac{π}{4}\)で\(ωt\)軸と交わるので、\(\frac{π}{4}\)遅れていることがわかります。
整理すると、
\(v=V_msin(2πft-θ)\)
⇔\(v=100\sqrt{2}sin(100πt-\frac{π}{4})\)
② オームの法則から\(i[A]\)を計算する
オームの法則から、
\(\displaystyle i=\frac{v}{R}=\frac{100\sqrt{2}sin(100πt-\frac{π}{4})}{5}\)
⇒ \(i=20\sqrt{2}sin(100πt-\frac{π}{4})\)
以上より、(5)\(\displaystyle 20\sqrt{2}sin \left( 100πt-\frac{π}{4} \right)\)が正しいです。
出典元
一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和3年度 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問8
参考書
イラストがとても多く、視覚的に理解しやすいので、初学者に、お勧めなテキストです。
問題のページよりも、解説のページ数が圧倒的に多い、初学者に向けの問題集です。
問題集は、解説の質がその価値を決めます。解説には分かりやすいイラストが多く、始めて電気に触れる人でも取り組みやすいことでしょう。
本ブログの管理人は、電験3種過去問マスタを使って電験3種を取りました。
この問題集の解説は、要点が端的にまとまっていて分かりやすいのでお勧めです。
ある程度学んで基礎がある人に向いています。
コメント