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【電験三種:理論】令和3年度 問13

電験三種令和3年度理論問13 令和3年度

概要

簡易小信号等価回路の問題です。
回路図を何となく読めれば、簡易小信号等価回路に関する知識が無くても解答可能です。

キーワード
簡易小信号等価回路、相互コンダクタンス、電圧増幅度

 

問題

図は、電界効果トランジスタ(FET)を用いたソース接地増幅回路の簡易小信号交流等価回路である。
この回路の電圧増幅度\(A_v=|\frac{v_o}{v_i}|\)を近似する式として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、図中のS、G、Dはそれぞれソース、ゲート、ドレインであり、\(v_i[V]\)、\(v_o[V]\)、\(v_{gs}[V]\)は各部の電圧、\(g_m[S]\)はFETの相互コンダクタンスである。
また、抵抗\(r_d[Ω]\)は抵抗\(R_L[Ω]\)に比べて十分大きいものとする。

(1)\(g_mR_L\)   (2)\(g_mr_d\)   (3)\(g_m(R_L+r_d)\)

(4)\(\frac{g_mr_d}{R_L}\)   (5)\(\frac{g_mR_L}{R_L+r_d}\)

 

答え

(1)

解説テキスト リンク

 

回答解説

解答の流れ
①抵抗\(r_d\)と抵抗\(R_L\)の合成抵抗\(R\)を求める
②出力電流\(i_o\)を求める
③オームの法則から出力電圧\(v_o\)を求める
④電圧増幅度\(A_v=|\frac{v_o}{v_i}|\)を求める

①抵抗\(r_d\)と抵抗\(R_L\)の合成抵抗\(R\)を求める

抵抗\(r_d\)と抵抗\(R_L\)は並列接続されているため、その合成抵抗\(R\)は、次のように求まります。
\(\frac{1}{R}=\frac{1}{r_d}+\frac{1}{R_L}=\frac{r_d+R_L}{r_dR_L}\)
⇔\(R=\frac{r_dR_L}{r_d+R_L}\)

 


②出力電流\(i_o\)を求める

回路図から、出力電流\(i_o\)は
\(i_o=g_mv_{gs}\)

\(v_i=v_{gs}\)なので、
\(i_o=g_mv_{i}\)となります。

 


③オームの法則から出力電圧\(v_o\)を求める

オームの法則の式に、①②式を代入すると、次のように展開できます。
\(v_o=Ri_o=\frac{r_dR_L}{r_d+R_L}g_mv_i\)

問題文から、抵抗\(r_d[Ω]\)は抵抗\(R_L[Ω]\)に比べて十分大きいという条件があるので、
\(r_d+R_L\) ➔ \(r_d\) と、近似できます。

出力電圧の式は簡略化することが出来ます。
\(v_o≒\frac{r_dR_L}{r_d}g_mv_i=g_mR_Lv_i\)

 


④電圧増幅度\(A_v=|\frac{v_o}{v_i}|\)を求める

\(A_v=|\frac{v_o}{v_i}|=|\frac{g_mR_Lv_i}{v_i}|=g_mR_L\)

以上より、(1)\(g_mR_L\)が答えです。

 

 

出典元

一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和3年度 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問13

参考書

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