【電験三種：理論】令和１年度　問１６

(a)解答の流れ
① 相電圧を計算する
② 合成インピーダンスを計算し、その大きさを求める
③ 電源電流をオームの法則から求める

① 相電圧を計算する

Y結線された電源の電圧線間は$V=200V$なので、相電圧$E$は、
$\displaystyle E=\frac{V}{\sqrt{3}}=\frac{200}{\sqrt{3}}=115.5V$

② 合成インピーダンス$Z$を計算し、その大きさ$|Z|$を求める

抵抗$R=10Ω$、リアクトル$ωL=10Ω$、コンデンサ$\frac{1}{ωC}=20Ω$が並列に接続されているので、その合成インピーダンス$Z[Ω]$は次のように求まります。

$\displaystyle \frac{1}{Z}=\frac{1}{R}+\frac{1}{jωL}+\frac{1}{\frac{1}{jωC}}$

⇔　$\displaystyle \frac{1}{Z}=\frac{1}{10}+\frac{1}{j10}+\frac{j}{20}$

⇔　$\displaystyle \frac{1}{Z}=\frac{1}{10}-\frac{j}{20}$

⇔　$\displaystyle \frac{1}{Z}=\frac{1}{20}(2-j)$

⇔　$\displaystyle Z=\frac{20}{2-j}$

合成インピーダンスの大きさ$|Z|[Ω]$は、
$|Z|=\frac{20}{\sqrt{2^2+1^2}}=4\sqrt{5}=8.944Ω$

③ 電源電流$I[A]$をオームの法則から求める

$\displaystyle I=\frac{E}{|Z|}=\frac{115.5}{8.944}=12.91≒13A$

以上より、(3)$I=13A$が答えとなります。

(b)解答の流れ
① 相電圧と抵抗から１相あたりの電力を求める
② 全体の電力を求める

① 相電圧と抵抗から１相あたりの電力を求める

RLCは、全て並列に接続されているため、Rには相電圧$E=\frac{200}{\sqrt{3}}=115.47V$が印加されています。
電力の計算式$\displaystyle P_1=\frac{E^2}{R}$より、一相あたりの電力は次のように求まります。
$\displaystyle P_1=\frac{115.47^2}{10}=1333W=1.333kW$

② 全体の電力を求める

①では相電圧から１相あたりの電力$P_1$を求めたことから、全体（３相分）の電力$P_3$は、$P_1$を３倍にすれば良いので、
$P_3=3P_1=3×1.333≒4kW$

以上より、(4)$P_3=4kW$が答えとなります。

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