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光電効果

光電効果 半導体

光電効果

光電効果(photoelectric effect)は、物質に光が当たったときに、電子が飛び出す現象です。
飛び出した電子が流れることで、電流となります。

光電効果には、外部光電効果と、内部光電効果の二種類があります。

 

外部光電効果

単に光電効果と呼ぶときは、一般的に外部光電効果を指します。
外部光電効果は、金属に光を照射したとき、光が持っているエネルギーが電子に与えられることで、表面から電子が飛び出す現象です。
飛び出した電子は光電子と呼ばれます。

外部光電効果は、光電管、光電子増倍管等の光センサに応用されます。
光電子増倍管は、高感度、暗電流が少なく、線形性が良いなどの特徴を持つので、放射線測定器、分光分析、PET等の医療診断等、幅広い用途に応用されます。

 

外部光電効果の特徴

①一定の振動数\(ν_0\) 以上の光を照射しないと、光電効果は発生しません。


②振動数\(ν\) が大きくなると、光電子の運動エネルギーが増加します。


③光電子数\(n\)[個/s]は光の強さ(明るさ)に比例します。

④光電子の運動エネルギーは光の強さ(明るさ)とは無関係。

①~④から、赤外線のような振動数が低い光の場合は、光の強さをどんなに強くしても光電効果は発生しません。紫外線のような振動数が高い光の場合は、光が弱くても光電効果は発生します。

 

 

光の振動数が重要な理由

光を照射したとき、1個の電子を金属の表面から外部へ取り出すために必要な最小エネルギーを仕事関数\(φ[eV]\)と呼びます。光のエネルギー\(E[J]\)、電気素量\(e[C]\)を使って次のように表されます。
\(E=eφ\)

光のエネルギー\(E [J]\)は、プランク定数\(h [J・s]\)、光の振動数\(ν [Hz]\)、光の波長\(λ [m]\)、光の速度\(c [m/s]\)としたとき、次式で表されます。
\(\displaystyle E=hν=h\frac{c}{λ}\)

したがって、1個の電子を金属の表面から外部へ取り出すために必要な最小エネルギー\(φ\)は、光の振動数\(ν\)を使って、
\(\displaystyle φ=\frac{hν}{e}\)

となり、光の振動数\(ν\)に比例することから、一定の振動数\(ν_0\)以上の光が照射されないと、光電効果が発生しないというわけです。

 

内部光電効果

半導体や絶縁体に振動数\(ν\) の高い光を照射すると、価電子帯にある電子が光のエネルギーを吸収して伝導帯に励起することで光電子が発生する現象です。

自由に動ける光電子が増えることから電気伝導率が増加するので、光伝導とも呼びます。

内部光電効果は、フォトダイオード等の光センサに応用されます。
フォトダイオードは、カメラのCCDイメージセンサ等に使用される素子です。

外部光電効果は、可視光や赤外線では光電子を得ることが難しいので、この領域のセンサはありません。
内部光電効果は、半導体材料や不純物によって光電子を得るのに必要な光のエネルギーを調整することができます。そのため、紫外線領域だけでなく、可視光・赤外領域のセンサもあります。

 

 

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