概要
ラッチには、RSラッチ、Dラッチ、JKラッチ、Tラッチがあります。
本頁では、JKラッチについて説明します。
JKラッチは、RSラッチの禁止入力をしたときに反転動作をするように改修した回路です。
JKラッチの回路と動作
2つ入力信号(\(J・K\))と、2つの出力信号(\(Q・\overline{Q}\))からなるラッチ回路です。
JKラッチの回路と真理値表は、次の通りです。

➡
簡略化

JKラッチの回路図
真理値表
\(J\) | \(K\) | \(Q\) | \(\overline{Q}\) |
0 | 0 | 保持 | 保持 |
0 | 1 | 0 | 1 |
1 | 0 | 1 | 0 |
1 | 1 | 反転 | 反転 |
JKラッチの真理値表は、J・K=1・1の時が、反転出力に変わったRSラッチの真理値表となります。
JKラッチのJは、RSラッチのSに該当します。
JKラッチのKは、RSラッチのRに該当します。
JKラッチ回路解析
回路図からわかる通り、JKラッチの構造は2つの回路で成り立ちます。
①RSラッチ
②入力信号を調整する前段回路
①RSラッチ

Dラッチに組み込まれるRSラッチ回路図
※入力部にNOTは無い版
JKラッチに使用されるRSラッチは、入力部にNOTを入れていないので、真理値表は次のようになります。
\(S\) | \(R\) | \(Q\) | \(\overline{Q}\) |
0 | 0 | 禁止 | 禁止 |
0 | 1 | 1 | 0 |
1 | 0 | 0 | 1 |
1 | 1 | 保持 | 保持 |
②入力信号を調整する前段回路
次の真理値表を満たすように、前段回路の設計を行います。
一つ前の出力は\(Q_{prev}\)とします。
\(Q_{prev}\) | \(J\) | \(K\) | \(S\) | \(R\) | \(Q\) | 動作 |
0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 保持 |
1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 保持 |
0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | リセット |
1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | リセット |
0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | セット |
1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | セット |
0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 反転 |
1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 反転 |
この真理値表を満たすように回路を設計すると、次のようになります。

この回路と、RSラッチを組み合わせることで、JKラッチ回路を作ることができます。
関連記事(その他)
参考書
イラストがとても多く、視覚的に理解しやすいので、初学者に、お勧めなテキストです。
問題のページよりも、解説のページ数が圧倒的に多い、初学者に向けの問題集です。
問題集は、解説の質がその価値を決めます。解説には分かりやすいイラストが多く、始めて電気に触れる人でも取り組みやすいことでしょう。
本ブログの管理人は、電験3種過去問マスタを使って電験3種を取りました。
この問題集の解説は、要点が端的にまとまっていて分かりやすいのでお勧めです。
ある程度学んで基礎がある人に向いています。
コメント