【電験三種:理論】平成21年度 問6

電験三種平成21年度理論問6 平成21年度

難易度

直流の抵抗回路に関する基礎知識問題です。
高校レベルなので、確実に回答したい問題です。

問題

抵抗値が異なる抵抗\(R_1[Ω]\)と\(R_2[Ω]\)を図1のように直列に接続し、\(30[V]\)の直流電圧を加えたところ、回路に流れる電流は\(6[A]\)であった。
次に、この抵抗\(R_1[Ω]\)と\(R_2[Ω]\)を図2のように並列に接続し、\(30[V]\)の直流電圧を加えたところ、回路に流れる電流は\(25[A]\)であった。
このとき、抵抗\(R_1[Ω]\)、\(R_2[Ω]\)のうち小さい方の抵抗\([Ω]\)の値として正しいのは次のうちどれか。

(1)1      (2)1.2      (3)1.5      (4)2       (5)3

回答

答え

(4)

回答方針

図1の電圧と電流値から直列抵抗の合成抵抗がわかります。
図2の電圧と電流値から並列抵抗の合成抵抗がわかります。
それぞれがわかれば、連立方程式で解くことができます。

要点整理

直列接続と、並列接続の時の合成抵抗の計算方法をまとめます。

直列接続された抵抗の合成抵抗の計算方法をまとめます。
抵抗\(R_1[Ω]\)と、抵抗\(R_2[Ω]\)が直列接続されているときの合成抵抗を\(R_{12}[Ω]\)とした時
\(R_{12}=R_1+R_2[Ω]\)

並列接続された抵抗の合成抵抗の計算方法をまとめます。
抵抗\(R_1[Ω]\)と、抵抗\(R_2[Ω]\)が並列接続されているときの合成抵抗を\(R_{12}[Ω]\)とした時
\(\displaystyle \frac{1}{R_{12}}=\frac{1}{R_1}+\frac{1}{R_2}\)
まとめると、
\(\displaystyle R_{12}=\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}[Ω]\)
となります。

要点整理の適用

図1から、直列の合成抵抗値を求めます。

\(R_1\)と\(R_2\)の合成抵抗\(R_{12s}\)は、
\(R_{12s}=R_1+R_2\)…①

オームの法則に、①を代入し、
\(30=6・R_{12s}=6(R_1+R_2)\)
となります。したがって、
\(R_1+R_2=5[Ω]\)…②

次に、図2から、並列の合成抵抗値を求めます。

\(R_1\)と\(R_2\)の合成抵抗\(R_{12p}\)は、
\(\displaystyle R_{12p}=\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}\)…③

オームの法則に、③を代入し、
\(\displaystyle 30=25・R_{12p}=25\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}\)…④
④に②を代入し、
\(\displaystyle 30=25\frac{R_1R_2}{5}\)
⇔ \(6=R_1R_2\)…⑤


整理すると、
\(\begin{eqnarray}
\left \{
\begin{array}{l}
R_1+R_2=5…②\\
R_1R_2=6…⑤
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}\)

となるので、②を変形すると、
\(R_2=5-R_1\)
となるので、⑤に代入します。
\(R_1・(5-R_1)=6\)
⇔ \(-R_1^2+5R_1-6=0\)
⇔ \(R_1^2-5R_1+6=0\)
⇔ \((R_1-2)(R_1-3)=0\)

したがって、\(R_1\)は、\(R_1=2,3\)となります。
\(R_1=2\)のとき、\(R_2=3\)
\(R_1=3\)のとき、\(R_2=2\)

となるので、

小さい方の抵抗[Ω]は、2[Ω]です。

出典元

平成21年度第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問6

参考書

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