概要
高校で学んだ基礎物理学の復習です。
運動方程式と、等加速度直線運動について解説します。
公式一覧
質量m[kg]、働く力F[N]、加速度α[m/s^2]、速度v[m/s]、位置x[m]、時間t[s]
基準時間t_0[s]、初速v_0[m/s]、初期位置x_0[m]としたとき、それぞれの関係式は次の通りです。
運動方程式
F=mα[N]
速度 v[m/s]
v=αt+v_0
ただし、初速v_0=0[m/s]のとき、
v=αt
位置 x[m]
\displaystyle x=\frac{1}{2}αt^2+v_0t+x_0
ただし、初速v_0=0[m/s]、初期位置x_0=0[m]のとき、
\displaystyle x=\frac{1}{2}αt^2
運動方程式
運動方程式とは、質量m[kg]の物体に、力F[N]を加え続けたときに加速度α[m/s^2]が生じることを表す式です。
文字通りに立式すると、\displaystyle α=\frac{F}{m}となります。
分数形式で表現すると、mとFのどちらが分母か忘れる場合があるので、
F=mα
と、運動方程式を書き出した方が一般的でしょう。
自由落下の場合

質量m[kg]の物を持ち上げてから手を放すと、その物は落ちます。
これを自由落下と呼び、その加速度α[m/s^2]は重力加速度g=9.8[m/s^2]で一定となり、その運動方程式は次式となります。
F=mg[N]
質量m[kg]の電荷に静電気力F=qEが働く場合

左図のように、平行平板コンデンサの間に質量m[kg]で電荷量q[C]の電荷があるとします。
そして、平行平板コンデンサには、電界強度E[V/m]の一様な電界があるとします。
この時、電荷qに、静電気力F=qEが働くときの加速度αは次の通り展開されます。
F=qE=mα
⇔ \displaystyle α=\frac{qE}{m}[m/s^2]
この式から、電荷量q[C]か電界強度E[V/m]が大きくなると、加速度も大きくなることがわかります。
等加速度直線運動
等加速度直線運動は、等加速度の文字通り、加速度α[m/s^2]が一定の運動です。
物が進む向きと加速度の向きが同じとき、直線運動します。
等加速度直線運動の代表例は、物体の自由落下(空気抵抗等は無視する)です。
加速度α[m/s^2]、速度v[m/s]、位置x[m]の関係は、微分積分で表される関係なので、それを示していきます。
α[m/s^2] ― v[m/s]の関係式
加速度α[m/s^2]は、単位時間当たりの速度v[m/s]の変化量です。
つまり、1秒で速度vがどれくらい変化したかを表します。
時間を細かく分解していくと、細かく速度の変化量が見れることから、加速度αと速度vの関係は微分で表せます。
\displaystyle α=\frac{dv}{dt}
微分とは逆に、積分で加速度αと速度vの関係を表すこともできます。
v=\int α dt=αt+C_1

積分定数C_1は、速度vの初期値である初速v_0[m/s]を表します。
したがって、次式となります。
v=αt+v_0
v[m/s] — x[m]の関係式
速度v[m/s]は、単位時間当たりの位置x[m]の変化量です。
つまり、1秒で位置xがどれくらい変化したかを表します。
時間を細かく分解していくと、細かく速度の変化量が見れることから、速度vと位置xの関係は微分で表せます。
\displaystyle v=\frac{dx}{dt}
微分とは逆に、積分で速度vと位置xの関係を表すこともできます。
x=\int v dt
速度は、v=αt+v_0で表されるので、
\displaystyle x=\int αt+v_0 dt=\frac{1}{2}αt^2+v_0t+C_2

積分定数C_2は、位置xの初期値である初期位置x_0[m/s]を表します。
したがって、次式となります。
\displaystyle x=\frac{1}{2}αt^2+v_0t+x_0
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