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非安定マルチバイブレータ(NOT回路構成)

非安定マルチバイブレータ 理論

概要

マルチバイブレータ回路には、非安定、単安定、双安定の3種類のマルチバイブレータ回路があります。本頁では、非安定マルチバイブレータ回路について解説します。

非安定マルチバイブレータは発振回路とも呼ばれ、簡単にクロック信号を作り出すことができる回路です。

クロック信号は、特定の周波数で精確に1(Hi)・0(Lo)を繰り返す信号で、電子部品間で信号を送受信する際に、そのタイミングを合わせるために使われます。

高精度なクロック信号が求められる場合は水晶振動子が使われますが、精度を求めない場合は非安定マルチバイブレータを使うこともあります。

 

非安定マルチバイブレータ(NOT回路)

下図のように、NOT回路を二つ、抵抗とコンデンサで発振回路を作ることができ、\(V_{out}\)の端子に周期信号を得ることができます。

 

動作原理

動作概要
 次の①~④を繰り返すことで動作します。
┏➔ ①NOT2の入力が0、NOT2の出力が1の瞬間
┃  ②NOT2の出力が1で、コンデンサCに電流\(i[A]\)が流れているとき
┃  ③NOT2の入力が1、NOT2の出力が0に反転した瞬間
┗━ ④コンデンサCから、NOT2の出力側に電流\(i[A]\)が流れているとき


①NOT2の入力が0、NOT2の出力が1の瞬間

初期状態として、NOT2の入力が0、出力が1の瞬間を考えます。
抵抗Rの両端の電位差があるため、②の状態に遷移します。


②NOT2の出力が1で、コンデンサCに電流\(i[A]\)が流れているとき

\(V_{out}\)から\(v\)に向かって、電流\(i[A]\)が抵抗Rを通って流れ、コンデンサCに充電されていきます。
そのため、\(v\)は、徐々に電圧が増加していきます。


③NOT2の入力が1、NOT2の出力が0に反転した瞬間

\(v\)の電圧が1になると、NOT2の出力が反転して0になります。
NOT1の入力が0となるため、NOT1の出力は1となります。


④コンデンサCから、NOT2の出力側に電流\(i[A]\)が流れているとき

コンデンサCから電荷が放電され、\(v\)から\(V_{out}\)に向かって、電流\(i[A]\)が抵抗Rを通って流れていきます。
そのため、\(v\)は、徐々に電圧が減少していきます。
\(v\)が0になると、①の状態に戻ります。


①~④の動作中の\(v[V]\)と、\(V_{out}\)を図示すると、次のようになります。

 

 

 

 

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