【電験三種:理論】令和6年度上期 問17

電験三種令和6年度上期理論問17 令和6年度上期

概要

コンデンサのΔ-Y変換の計算問題です。
抵抗のΔ-Y変換の問題は多いですが、コンデンサのΔ-Y変換の問題は少ないので戸惑うかもしれません。しかし、やることは変わらないので、冷静に回答しましょう。

キーワード
コンデンサのΔ-Y変換、直列コンデンサの合成容量、並列コンデンサの合成容量

 

問題

図1の端子ad間の合成静電容量について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 端子\(b-c-d\) 間は図2のようにΔ結線で接続されている。
これを図3のようにY結線に変換したとき、電気的に等価となるコンデンサ\(C\) の値\([μF]\)として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 1.0    (2) 2.0    (3) 4.5    (4) 6.0    (5) 9.0

 


(b) 図3を用いて、図1の端子\(b-c-d\) 間をY結線回路に変換したとき、図1の端子\(a-d\) 間の合成静電容量\(C_0\) の値\([μF]\)として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 3.0    (2) 4.5    (3) 4.8    (4) 6.0    (5) 9.0

 

答え

(a)(5)
(b)(3)

解説テキスト リンク

 

回答解説

(a)問題の解答の流れ
(1)図2から図3にΔ-Y変換する
(2)インピーダンスと静電容量の関係式から、静電容量を計算する

図2から図3にΔ-Y変換する

Δ結線のインピーダンスを\(Z_Δ\)
Y結線のインピーダンスを\(Z_Y\)
としたとき、Δ-Y変換すると、
\(\displaystyle Z_Y=\frac{1}{3}Z_Δ\)

です。


図2でΔ結線されている負荷の\(3μF\)のコンデンサを、\(C_Δ=3μF\)とします。この時のΔ結線のインピーダンス\(Z_Δ\)は、

\(\displaystyle Z_Δ=-\frac{1}{ωC_Δ}\) …①


図3のY結線されている負荷の\(C[μF]\)のコンデンサを、\(C_Y=C[μF]\)とします。この時のY結線のインピーダンス\(Z_Y\)は、

\(\displaystyle Z_Y=-\frac{1}{ωC_Y}\) …②

\(Z_Y=\frac{1}{3}Z_Δ\)なので、
\(\displaystyle -\frac{1}{ωC_Y}=-\frac{1}{3}\frac{1}{ωC_Δ}\)

⇔ \(\displaystyle C_Y=3C_Δ=9μF\)

したがって、(a)問題は(5)9.0 が答えです。

 

(b)問題の解答の流れ
①(a)問題の解答を回路に使って書き変える
②直列・並列の合成容量を求めていく


(a)問題の解答を回路に使って書き変える

(a)問題から、Δ-Y変換をすると、次のように変換できます。


直列・並列の合成容量を求めていく

上段にある、2つの\(9μF\)のコンデンサの直列接続の合成容量は、
\(\displaystyle \frac{1}{C_1}=\frac{1}{9}+\frac{1}{9}=\frac{1}{4.5}\) ⇔ \(C_1=4.5μF\)

下段にある、\(18μF\)と\(9μF\)のコンデンサの直列接続の合成容量は、
\(\displaystyle \frac{1}{C_2}=\frac{1}{18}+\frac{1}{9}=\frac{1}{6}\) ⇔ \(C_2=6μF\)


左側の、\(4.5μF\)と\(6μF\)のコンデンサの並列接続の合成容量は、
\(C_3=4.5+6=10.5μF\)

最後に、\(10.5μF\)と\(9μF\)のコンデンサの直列接続の合成容量は、
\(\displaystyle \frac{1}{C}=\frac{1}{10.5}+\frac{1}{9}\) ⇔ \(C=4.8μF\)

したがって、(b)問題は(3)4.8 が答えです。

 

 

出典元

一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論科目B問題問17

参考書

イラストがとても多く、視覚的に理解しやすいので、初学者に、お勧めなテキストです。

問題のページよりも、解説のページ数が圧倒的に多い、初学者に向けの問題集です。
問題集は、解説の質がその価値を決めます。解説には分かりやすいイラストが多く、始めて電気に触れる人でも取り組みやすいことでしょう。

本ブログの管理人は、電験3種過去問マスタを使って電験3種を取りました。
この問題集の解説は、要点が端的にまとまっていて分かりやすいのでお勧めです。
ある程度学んで基礎がある人に向いています。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました