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【電験三種:理論】令和4年度上期 問10

電験三種令和4年度上期理論問10 令和4年度上期

概要

コンデンサの電荷の移動の問題です。
コンデンサが並列接続されたときの電荷、コンデンサ容量、電圧の変化について理解しておく必要があります。

キーワード
コンデンサの並列接続、静電エネルギー

 

問題

図の回路において、スイッチS が開いているとき、静電容量C_1=4 mF のコンデンサには電荷Q_1=0.3 C が蓄積されており、静電容量C_2=2 mF のコンデンサの電荷はQ_2=0 C である。

この状態でスイッチS を閉じて、それから時間が十分に経過して過渡現象が終了した。

この間に抵抗R[Ω]で消費された電気エネルギー[J]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 1.25    (2) 2.50    (3) 3.75    (4) 5.63    (5) 7.50

 

 

答え

(3)

解説テキスト リンク

 

回答解説

回答の流れ
(a)スイッチ投入前
①スイッチSを投入前のコンデンサC_1の電圧V_1[V]を計算する
②スイッチSを投入前のエネルギーW_1[J]を計算する
(b)スイッチ投入後
③スイッチSを投入後の回路中の総電荷Q[C]、総静電容量C[F]、電圧V_{12}を計算する
④スイッチSを投入後のエネルギーW_2[J]を計算する
(c)スイッチS投入前後のエネルギー差を算出

(a)スイッチ投入前

①スイッチSを投入前のコンデンサC_1の電圧V_1[V]を計算する
電荷の関係式 Q=CV から、
\displaystyle V_1=\frac{Q_1}{C_1}=\frac{0.3}{4×10^{-3}}=75V


②スイッチSを投入前のエネルギーW_1[J]を計算する
静電エネルギーの関係式 W=\frac{1}{2}CV^2 から、
\displaystyle W_1=\frac{1}{2}C_1V_1^2=\frac{1}{2}×4×10^{-3}×75^2=11.25V

 

(b)スイッチ投入後

③スイッチSを投入後の回路中の総電荷Q[C]、総静電容量C[F]、電圧V_{12}を計算する
電荷の総量Q[C]は、スイッチ投入前後で変化しないので、
Q=Q_1=0.3C

コンデンサを並列接続したときの静電容量C[F]は、
C=C_1+C_2=4×10^{-3}+2×10^{-3}=6×10^{-3}F

コンデンサの電圧V_{12}は Q=CV から、
\displaystyle V_{12}=\frac{Q}{C}=\frac{0.3}{6×10^{-3}}=50V


④スイッチSを投入後のエネルギーW_2[J]を計算する
静電エネルギーの関係式から、
\displaystyle W_2=\frac{1}{2}CV_{12}^2=\frac{1}{2}×6×10^{-3}×50^2=7.5J

 

(c)スイッチS投入前後のエネルギー差を算出
スイッチS投入前後で回路中に保持される静電エネルギーの差が、抵抗Rで消費されるエネルギーです。
W=W_1-W_2=11.25-7.50=3.75J

以上より、(3)3.75[J]が答えです。

 

出典元

一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問10

参考書

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