概要
RL直列回路の力率を計算する問題です。
計算は単純ですが、皮相電力、有効電力、無効電力、力率について理解が必要です。
キーワード
交流回路、RL直列回路、皮相電力、有効電力、無効電力、力率
問題
図のように、抵抗R[Ω]と誘導性リアクタンスX_L[Ω]が直列に接続された交流回路がある。
\displaystyle \frac{R}{X_L}=\frac{1}{\sqrt{2}}の関係があるとき、この回路の力率cos \phiの値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 0.43 (2) 0.50 (3) 0.58 (4) 0.71 (5) 0.87
答え
(3)
解説テキスト リンク
回答解説
回答の流れ
①インピーダンスの大きさZを求める
②皮相電力Sを求める
③有効電力Pを求める
④力率cosθを求める
①インピーダンスの大きさZを求める

問題文の\displaystyle \frac{R}{X_L}=\frac{1}{\sqrt{2}}の条件から、
X_L=\sqrt{2}R …①
RL直列回路のインピーダンス\dot{Z}は
\displaystyle Z=R+jX_L
インピーダンスの大きさZは、
Z=\sqrt{R^2+X_L^2} …②
②式に①式を代入すると、
⇔ Z=\sqrt{R^2+(\sqrt{2}R)^2}=\sqrt{3}R
②皮相電力Sを求める
皮相電力S[V・A]は、次式で求められます。
S=VI=I^2Z=I^2・\sqrt{3}R
③有効電力Pを求める
有効電力P[W]は、次式で求められます。
P=VIcosθ=I^2R
④力率cosθを求める
力率cosθは、次式で求められます。
\displaystyle cosθ=\frac{P}{S}=\frac{R}{\sqrt{3}R}=0.58
以上より、(3)0.58 が回答になります。
出典元
一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問9
参考書
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