【電験三種:理論】令和5年度上期 問6

電験三種令和5年度上期理論問6 令和5年度上期

概要

電圧源と電流源を持つ回路の問題です。
重ねの理の使い方を理解していれば、非常に簡単な問題です。
重ねの理の他にも、キルヒホッフの法則を使った方程式を立てる解法があります。

キーワード
重ねの理、キルヒホッフの法則

 

問題

 図のような直流回路において、\(3Ω\)の抵抗を流れる電流の値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 0.35   (2) 0.45   (3) 0.55   (4) 0.65   (5) 0.75 

 

 

 

答え

(5)

解説テキスト リンク

 

回答解説

重ねの理で解く

① 2つの分離回路に分ける

4Vの電圧源回路と、2Aの電流源回路の2つに分けます。
このとき、解析しない方の電源のうち、「電圧源は短絡」「電流源は開放」します。


② 4Vの電圧源回路の解析

4Vの電圧源について、回路解析をします。
もう片方の2Aの電流源は、開放除去します。
4Vの電圧源から\(R_1\)の抵抗に送られる電流は、
\(\displaystyle I_1=\frac{E}{R_1+R_2}=\frac{4}{3+5}=0.5[A]\)
です。


③ 2Aの電流源回路の解析

2Aの電流源について、回路解析をします。
もう片方の4Vの電圧源は、短絡除去します。
2Aの電流源から\(R_1\)の抵抗に送られる電流は、\(I’_1[A]\)とします。
電流\(I’_1\)は、分流の式から
\(I’_1=\frac{R_2}{R_1+R_2}I\)

数字を代入していくと、
\(\displaystyle I’_1=\frac{5}{3+5}2=1.25[A]\)
です。


④ 結果の重ね合わせ

②・③で解析した結果\(I_1\)、\(I’_1\)を重ね合わせます。電流が右から左側に流れる方向をプラスとして計算すると、
\(I’_1-I_1=1.25-0.5=0.75[A]\)
となるので、電流が右から左に流れています。

以上より、(5) 0.75 が答えです。

 

 

キルヒホッフの法則で解く

キルヒホッフの法則から、方程式を立式します。

キルヒホッフの電流則から、「接点Aに流入する電流=接点Aから流出する電流」なので、
\(I_1+2=I_2\) …①

次に、キルヒホッフの電圧則から、左図の橙色の閉ループを考えると、
\(E=I_1R_1+I_2R_2\) …②

②式に①式を代入して整理していきます。
⇔\(E=I_1R_1+(I_1+2)R_2\)
⇔\(4=3I_1+5(I_1+2)\)
⇔\(I_1=-0.75\)
\(I_1\)の値がマイナスなので、\(I_1\)は右から左に0.75[A]流れているということがわかります。

以上より、(5) 0.75 が答えです。

 

 

 

出典元

令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論科目A問題問6

参考書

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