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自己インダクタンスに蓄えられるエネルギー
\(\displaystyle U=\frac{1}{2}LI^2\)
磁気エネルギー
自己インダクタンスに蓄えられるエネルギー
自己インダクタンスに蓄えられるエネルギー
\(\displaystyle U=\frac{1}{2}LI^2\)
コイルに電流が流れているとき、磁気エネルギーがコイルに蓄えられます。
どのようにエネルギーが蓄えられるかというと、コイルに流れる電流が周囲に磁界を作りだすことで、磁界という形で周囲の空間にエネルギーが蓄えられます。
自己インダクタンスに蓄えられるエネルギーの導出
左図のように、自己インダクタンス\(L[H]\)のコイルに、時間変化する電流\(i[A]\)を流した時、コイルに蓄えられるエネルギー\(W[W]\)を考えます。
コイルの電位\(v[V]\)は、次式となります。
(式の導出の参考→自己インダクタンスの解説)
\(\displaystyle v=L\frac{di}{dt}\) …①
\(\frac{di}{dt}\)は、コイルに流れる電流\(i\)が、\(dt\)秒間に\(di\)だけ変化したことを表します。
次に、電源がコイルに送る電力\(p[W]\)は、
\(\displaystyle p=v・i=\left(L \frac{di}{dt}\right)・i[W]\) …②
\(dt\)秒間にコイルが受取るエネルギー\(dw[W]\)は、
\(\displaystyle dw = p・dt\) …③
③式に①・②式を代入して展開していくと、
\(\displaystyle \begin{eqnarray}
dw &=& p・dt = v・i dt\\
&=& \left(L \frac{di}{dt}\right)・i・dt\\
&=& Li・di …④
\end{eqnarray}\)
時間変化しなくなり、流れる電流が\(I[A]\)となったときに、コイルの\(L[H]\)が蓄えるエネルギー\(W[J]\)は、④式の電流\(i\)が初期値(\(i=0\))から、定常状態(\(i=I\))になるまでを積分すれば求まります。
\(\displaystyle W=\int_{0}^{I} dw=\int_{0}^{I} L・i・di=L\int_{0}^{I} i・di\)
\(\displaystyle =L\left[\frac{1}{2}i^2\right]_0^I=\frac{1}{2}LI^2[J]\)
以上より、コイルに蓄えられる磁気エネルギーは\(\displaystyle W=\frac{1}{2}LI^2[J]\)です。
過去問
難易度 ★★☆☆☆
電験三種 平成21年度 問3 | 磁束鎖交数と磁気エネルギーの計算 |
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