概要
三相かご形誘導機に関する論説問題です。
三相かご形誘導機の応用先、巻線形誘導機と比較したときの特徴等、幅広く知っておく必要があるため、難しい問題です。
キーワード
かご形誘導機、巻線形誘導機
問題
三相かご形誘導機に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 同じ容量の三相巻線形誘導機よりも構造が簡単で、安価である。
(2) 発電機として、一部の水力発電や風力発電に採用されている。
(3) 発電運転中の滑りは負となる。
(4) 大容量の電動機にはアルミダイカスト回転子が広く用いられている。
(5) 回転子に棒状の導体を用いている三相かご形誘導機は、同じ容量の三相巻線形誘導機よりも機械的に過酷な使用に耐えられる。
答え
(4)
解説テキスト リンク
回答解説
(1)
同じ容量の三相巻線形誘導機よりも構造が簡単で、安価である。

かご形回転子

巻線形回転子
かご形回転子と巻線形回転子は、それぞれ上図の通りです。
巻線形回転子は、二次巻線にブラシ・スリップリングが接続され、かご形よりも複雑な構造になります。
かご形は、構造が簡単な分、安価に製造できます。
(2)
発電機として、一部の水力発電や風力発電に採用されている。
誘導発電機は、小水力発電や、小風力発電で採用されます。
構造が簡単で安価、保守も容易、軸の回転速度が系統の周波数に依存しないため直接系統と接続可能という長所があります。
しかし、出力変動によって電圧変動する、力率の調整能力がない、突入電流が大きい、自立運転ができない等の短所があります。
(3)
発電運転中の滑りは負となる。
すべり\(s\)と、誘導機の動作特性は下図のようになります。

誘導機の回転子の軸にエンジンやタービン等を接続することで、外部から機械的入力を加えて同期速度よりも早い速度で回転させると、すべりは負となります\(s<0\)
このとき、誘導機は発電機として運転します。
(4)
大容量の電動機にはアルミダイカスト回転子が広く用いられている。
かご形回転子の導体棒にアルミダイカストを主に使用します。この点は正しいです。
しかし、大容量の電動機には、巻線形誘導電動機を使用することが多いため、その点が誤りです。
(5)
回転子に棒状の導体を用いている三相かご形誘導機は、同じ容量の三相巻線形誘導機よりも機械的に過酷な使用に耐えられる。
かご形誘導機は、堅牢な構造をしているため、機械的に過酷な環境に適しています。
以上より、(4)が誤った選択肢です。
出典元
一般財団法人電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/index.html)
令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 機械科目問題問3
参考書
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