問1.(2)
(ア)
\(\frac{kg}{m^3} \frac{m}{s^2} \frac{m^3}{s} m=(kg・m/s^2)・m/s\)
したがって、(ア)は\(kg・m/s^2\)
(イ)\(N=kg・m/s^2\)
(ウ)\(J=Nm\)
(エ)\(W=J/s\)
(オ)\(kW\)
以上より、(2)が答えです。
問2.(5)
・出力\(P_o=175MW\)
・効率\(η=0.92\)
・タービン入口の蒸気エンタルピー\(h_i=32500kJ/kg\)
・タービン出口(復水器入口)の蒸気エンタルピー\(h_o=30800kJ/kg\)
としたとき、
出力から、時間単位の仕事は、
\(P_o=175MW=175MJ/s・3600s=630000MJ/h\) …①
タービンで使用されるエンタルピー\(Δh\)は、
\(Δh=h_i-h_o=32500-30800=1700kJ/kg=1700MJ/t\) …②
使用蒸気量\(M[t/h]\)は、効率を考慮すると、
\(M=\frac{P_o}{Δh ・η}=\frac{630000}{1700・0.92}=402.8≒403[t/h]\)
以上より、(5)403が答えです。
問3.(5)
ボイラーへの燃焼用空気は、①空気予熱器で温められてからボイラーに送られます。
燃焼後の排ガスの熱を使い、②節炭器で蒸気になる前の水を温めます。
最後に、燃料が燃焼することで発生した煤塵を、③電機集塵装置を通し除去してから、大気に放出します。
したがって、
空気予熱器 ➡ 節炭器 ➡ 電機集塵装置 となるため(5)は誤りです。
問4.(1)
軽水炉で利用するのに適したウラン235の濃度は、(ア)3~5%です。
(イ)原子力発電所から取り出された使用済燃料からウラン・プルトニウムを分離抽出する工程は、再処理です。
再加工:MOX燃料などとして加工することを指します。
再処理:再加工の前段階で、使用済燃料をせん断・溶解し、ウランやプルトニウムを
分離・回収する工程です。
(ウ)ウランとプルトニウムとを混合した燃料は、MOX燃料です。
MOX燃料:使用済み燃料から取り出したプルトニウムとウランを混合した核燃料
イエローケーキ:ウラン鉱石精製の過程の濾過液から得られるウラン含量の高い粉末で、
原子炉用のウラン燃料を作るのに用いられます。
(エ)高速増殖炉です。
高速増殖炉は、高速の中性子を利用して核分裂を起こし、消費した燃料よりも多くの新しい核燃料を生成する原子炉です。主にMOX燃料を使用し、核分裂しないウラン238をプルトニウム239に転換して増殖させます。
消費される核分裂性物質よりも多くの量の新たな核分裂性物質を得ることができるため、ウラン資源の利用効率を飛躍的に高めることが期待されます。
問5.(5)
小規模木質バイオマス発電の問題です。
燃料調達の面、熱利用の面から、小規模で行うのが一般的です。
(ア)植物等は有機物です。
(イ)木くずからは固形化燃料が得られます。
固形化燃料とは、粉砕・乾燥・圧縮して固めた燃料のことです。
(ウ)二酸化炭素
植物が吸収・固定する炭素量と、放出する炭素量が釣り合っている状態を炭素中立と呼びます。
(エ)小規模分散型が一般的です。
以上より、(5)が答えです。
問6.(3)
(3)ガス絶縁開閉装置(GIS)で主に使われる絶縁ガスは、SF6ガス(六フッ化硫黄ガス)を使う点はあっています。
しかし、0.3~0.6MPaのガス圧が一般的です。(大気圧は0.1MPa)
そのため、大気圧よりも高い圧力ですので、(3)が誤りです。
問7.(3)
(3)受電点の力率が進み力率になると、逆潮流による系統電圧の上昇は、「進み力率」になると起こります。
したがって、分散型電源からの逆潮流による系統電圧の上昇を抑制するためには、受電点の力率は系統側から見て「遅れ力率」とするのが正しいです。
問8.(2)
がいしは、電線と鉄塔などの支持物との間を絶縁するために使用されます。
雷撃などの異常電圧による絶縁破壊(フラッシオーバ)は、碍子の表面を沿って放電が起きる現象です。
フラッシオーバが発生すると、碍子が故障する原因となるので、碍子の外にアークホーンと呼ばれる保護装置を取り付けておき、アークホーン間に放電するように設計しておくことで、碍子の表面を沿う放電を回避します。
問9.(3)
(ア)
高圧送電線付近では、高電圧が作り出す強い静電界によって通信線路等に誘導電圧が発生することがあります。この誘導電圧によって、通信障害、機器破壊、感電等の障害を起こすものを静電誘導障害と呼びます。
送電線・通信線・大地間の静電容量の働きによって発生するので、高圧送電線高さを変える、遮蔽ケーブルを使用する等の対策があります。
(イ)・(ウ)
送電線路に流れる電流が作り出す磁界によって、通信線路等に誘導電圧を発生することがあります。この誘導電圧によって、通信障害、機器破壊、感電等の障害を起こすものを電磁誘導障害と呼びます。
電磁誘導障害は、送電線路と、通信線路の間の相互インダクタンスを介して発生するので、送電線と通信線を離す、遮蔽ケーブルを使用する等の対策があります。
(エ)
三相架空送電線路がねん架されていると、各相の静電容量・相互インダクタンスの不平衡が解消されることにより、各相が作り出す誘導電圧が等しくなります。
その結果、通信線路に現れる誘導電圧は、ベクトル和であるため\(0V\)となります。
(オ)
三相架空送電線路に一線地絡事故が生じると、不平衡となるため誘導電圧が発生します。
以上より、(3)が答えです。
問10.(2)
(2)CV ケーブルは、絶縁体として架橋ポリエチレンを使用したケーブルである。
架橋ポリエチレンは、ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とすることで、熱可塑性を大幅に向上させた絶縁材料である。
赤のアンダーラインの部分が間違いです。
CVケーブルは、絶縁体として架橋ポリエチレンを使用しており、現在、電力線の主流のケーブルです。
架橋ポリエチレンは、鎖状構造のポリエチレンの分子を架橋反応させることで、立体網目状の分子構造にした超高分子量のポリエチレンです。
そのことにより、熱が加わっても硬さを維持することが出来るようになり、耐熱性、クリープ性能ともに向上します。
熱可塑性は、熱を加えると軟らかく、冷やすと固くなる性質のことです。
したがって、熱可塑性が向上すると熱に弱くなるので、ケーブルには適しません。
問11.(3)
(3)バランサは、電源の近くに設ける方が効果が大きい。
赤のアンダーラインの部分が間違いです。
バランサは、配電線路の末端に設けられます。
問12.(4)
・支持点間\(S=200m\)
・たるみ\(D=3m\)
・単位長さ当たりの電線の重量\(W\)
・支持点間の水平方向の張力\(T\)
とします。
たるみ\(D\)の公式から
\(D=\frac{WS^2}{8T}\)
重量の公式から
\(W=\frac{8TD}{S^2}=\frac{8・3}{200^2}T=0.0006T\)
支持点間\(S’=240m\)の時を求めます。
この時のたるみ\(D’\)は、
\(D’=\frac{WS’^2}{8T}=\frac{0.0006T・240^2}{8T}=4.32m\)
電線の実長\(L[m]\)は、
\(L=S’+\frac{8D’^2}{3S’}=240+\frac{8・4.32^2}{240}=240.21m\)
以上より、(4)240.21 が答えです。
問13.(2)
問題文から、
力率\(cosθ_1=0.7\)、有効電力\(W_1[kW]\)の時の皮相電力を\(S_1[kV・A]\)
力率\(cosθ_2=0.91\)、有効電力\(W_2[kW]\)の時の皮相電力を\(S_2[kV・A]\)
とします。
このとき、
\(S_1=\frac{W_1}{cosθ_1}=\frac{W_1}{0.7}\)
\(S_2=\frac{W_2}{cosθ_2}=\frac{W_2}{0.91}\)
この時、線路損失が同じということから、線路に流れる皮相電力は同じなので、
\(S_1=S_2\)
したがって、
\(\frac{W_2}{0.91}=\frac{W_1}{0.7}\)
⇔ \(W_2=\frac{0.91}{0.7}W_1=1.3W_1\)
となります。
以上より、(2)1.3 が答えです。
問14.(2)
比重は空気よりも大きく、化学的に安定した不燃性のガスであるが、特有の臭いがある。
六ふっ化硫黄(\(SF_6\))は、無色無臭の気体のため、赤いアンダーラインの箇所が間違いです。
(2)の他の記載は、次の通り正しいです。
・比重は空気(\(N_2\)が約80%)よりも、\(SF_6\)の方が圧倒的に重いです。
・科学的に安定した不燃のガスです。
以上より、(2) が答えです。
問15.A(5)/B(5)
発電中以外は水車・発電機を停止して、全流量を貯水するという条件から、
調整池に1日で貯水出来る水量=6時間の運転に必要な水量 となります。
調整池に1日で貯水出来る量は、
渇水量:\(8m^3/s×3600s×24h=691200m^3/\)日 …①
6時間の運転に必要な水量は、流量を\(Q[m^3/s]\)とすると、
\(Q×3600s×6h\) …②
①=②なので、
\(Q=\frac{691200}{3600×6}=32.0m^3/s\)
以上より、A問題は(5)32.0 が答えです。
A問題から、\(Q=32m^3/s\)、1日8時間の運転に使用する水量\(V_1\)は、
\(V_1=Q×3600×8=32×3600×8=921600m^3\)
上記流況曲線で200日のときの流量は、\(14m^3/s\)です。
1日8時間の運転中に流入する水量\(V_2\)は、
\(V_2=14×3600×8=403200m^3\)
必要な有効貯水量\(ΔV[m^3]\)は、
\(ΔV=V_1-V_2=518400≒520000m^3\)
以上より、B問題は(5)520000 が答えです。
問16.A(3)/B(3)
一次電圧\(66kV\)、二次電圧\(22kV\)から、変圧比\(a\)は、
\(a=\frac{V_1}{V_2}=\frac{I_2}{I_1}=\frac{66}{22}=3\)
インピーダンスの一次側/二次側の比は、
\(\displaystyle \frac{Z_1}{Z_2}=\frac{\frac{V_1}{I_1}}{\frac{V_2}{I_2}}=\frac{V_1}{V_2}・\frac{I_2}{I_1}=a^2\)
一次側から見た変圧器の1相辺りのインピーダンス\(\dot{Z_{T1}}\)は、\(\dot{Z_{T1}}=0.05+j7Ω\)なので、
二次側から見た変圧器の1相辺りのインピーダンス\(\dot{Z_{T2}}\)は、
\(\dot{Z_{T2}}=\frac{1}{a^2}\dot{Z_{T1}}=\frac{1}{9}(0.05+j7)=0.00556+j0.7778\)
500mの線路のインピーダンス\(\dot{Z_l}\)は、
\(\dot{Z_l}=(0.2+j0.45)・\frac{500}{1000}=0.1+j0.225\)
二次側からみた全体のインピーダンス\(\dot{Z}\)は、
\(\dot{Z}=\dot{Z_{T2}}+\dot{Z_l}=0.10556+j1.003Ω\)
インピーダンスの大きさ\(|Z|\)は、
\(|Z|=\sqrt{0.10556^2+1.003^2}=1.008\)
よって、短絡電流\(I_s[kA]\)は、
\(\displaystyle I_s=\frac{\frac{Z_{2n}}{\sqrt{3}}}{|Z|}=\frac{\frac{22000}{\sqrt{3}}}{1.008}=12597V=12.6kV\)
以上より、A問題は(3)12.6 が答えです。
短絡故障時の相電圧\(E_B[V]\)は、線路のインピーダンス\(|Z_l|[Ω]\)に流れた短絡電流\(I_s\)が作り出す電圧降下なので、オームの法則から、
\(E_B=|Z_l|・I_s=\sqrt{0.1^2+0.225^2}・12597=0.246・12597=3101V\)
線間電圧\(V_B[V]\)は、相電圧\(E_B[V]\)の\(\sqrt{3}\)倍なので、
\(V_B=\sqrt{3}V_B=5372V≒5.37kV\)
以上より、B問題は(3)5.37 が答えです。
問17.A(4)/B(4)
遅れ力率\(cosθ_1=0.9\) の三相負荷\(P_1=500kW\)の負荷の無効電力を\(Q_1[kVar]\)としたとき、
\(Q_1=\frac{P_1}{cosθ_1}・sinθ_1=\frac{500}{0.9}・\sqrt{1-0.9^2}≒242kVar\)
遅れ力率\(cosθ_2=0.8\) の三相負荷\(P_2=200kW\)の負荷の無効電力を\(Q_2[kVar]\)としたとき、
\(Q_2=\frac{P_2}{cosθ_2}・sinθ_2=\frac{200}{0.8}・\sqrt{1-0.8^2}≒150kVar\)
二つの負荷の無効電力の合計\(Q[kVar]\)は、
\(Q=Q_1+Q_2=242+150=392kVar\)
以上より、A問題は(4)392 が答えです。
二つの三相負荷\(500kW\)、\(200kW\)の合計\(P=700kW\)
定格容量\(S=750 kV・A\)
としたとき、無効電力の最大値\(Q_{max}[kVar]\)は、
\(Q_{max}=\sqrt{S^2-P^2}=\sqrt{750^2-700^2}=269kVar\)
必要なコンデンサの容量\(ΔQ[kVar]\)は、
\(ΔQ=Q-Q_{max}=123kVar\)
以上より、B問題は(4)123 が答えです。


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